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全 10 章中 9 章
大六壬心境
疾病を占ってどのように死生を見分けるか?まず白虎がどのような神煞と共に並ぶかを見る。たとえば今日の日干が水に属するなら、土神が白虎となれば病は癒え難い。日干を病人とし、支辰を病および寝宅とし、鬼を病と見なし、白虎を病神とし、用伝を医薬とする。白虎の乗る神を詳察する:日と相生すれば癒え、日と同類であれば回復は遅く、日を克すれば癒え難い。日が辰を克すのは人が病を克すことで、治り易い;辰が日を克して白虎に乗るのは病が人を克すことで、必ず死ぬ。例えば壬戌日に病を占い、戌が白虎に乗って日を克せば、薬も効かない。もし年命もまた克を受ければ、最も凶である。
次に六般の入墓を見れば、詳しく推せば自ずと分明する:
| 入墓の種類 | 具体の状況 | 意味 |
|---|---|---|
| 身入墓 | 火日用神が戌を見て発用 | 九月に火神を用い、六月に木神を用い、三月に水神を用い、十二月に金神を用いる |
| 魂入墓 | 天魁が丙丁を覆う(戌が丙丁の上に加わる) | 丙丁日は戌が干上に加わる |
| 鬼入墓 | 戊己日木神が未上に居る | 木が鬼となり、寅卯が未に加わる |
| 日入墓 | 壬癸日水神が辰上に停まる | 亥子が辰上に加わる |
| 支入墓 | 申酉の二支が丑の位に逢う | 庚辛日酉が丑に加わる |
| 行年入墓 | 行年三合夢魂驚く | 例えば人の行年が午または寅に在れば、勝光功曹が戌に加わる |
殺虎を帯びて並び来りて卦に入れば、此の時に值うときは平に減ぜず。 用神が入墓し、行年が入墓し、日干が入墓するは、皆凶象である。もし白虎が浴盆、喪車、死神、死気、魁罡、寅卯辰巳、三兵、五墓に乗り、かつ日辰年命に臨めば、凶である。三伝が日干を克せば凶、三伝が空亡に落ちれば凶。日干上の神が白虎を克せば病は癒え、支上の神が白虎を克すも亦た癒ゆ。もし日辰および年命の上に天喜、天医、地医、生氣、日解を見るか、または用伝に在れば、皆凶中に救いありと主す。
白虎の乗る所兼ねて旺相ならば、克に逢いて行年に及ばば必ず命傾かん。 凶期は鬼日を以て準とする。甲乙日占えば、辛および庚を憂う。病を占うに切忌むのは鬼郷に入ること。甲乙日伝に申酉を見れば、これを伝臨絶地と謂い、癒ゆること無し。
干支虎と作るは今日を憂い、別に他辰を立てて数え程を計る。 正時を太歳の上に加え、白虎の臨む何位なるかを見る:太歳に臨めば、歳中に死す;前の一位ならば、来年に死す;月建に臨めば、月中に死す;日干の上に臨めば、今日を憂う;前の一辰ならば来日に死す。また白虎の臨む所の辰を以てその日を定め、更に凶期を詳らかにし、鬼日、本命の絶墓の日、課の休囚の日に参じて推す。
丑は墓田にして寅卯は椁なり。 庚辛日は丑を用と為し、日辰年命に臨み克害する者は墓田煞なり;戊己日は寅卯を用と為し、日辰年命に臨み克害する者は棺椁煞なり。
浴盆は季に加わりて四時終わる。 浴盆:春は辰、夏は未、秋は戌、冬は丑。元武が浴盆に乗るを浴盆水を見ると謂い、大凶。壬癸日並びに白虎に値うを、浴盆水を見ると謂い、病を占えば必ず死す。
魁罡また鍬鋤煞を生ず。 丙丁日天罡が白虎と作って日に加わるを、鍬鋤煞と為す;壬癸日天魁が白虎と作って日辰に加わるも亦た是なり。
軫宿の喪車には逢うこと莫かれ。 軫宿は即ち太乙巳。喪車:正月未、二月辰、三月丑、四月戌、四季を逆す。また喪車煞あり:春は従魁、夏は神后、秋は太沖、冬は勝光、人の年命に加われば大凶。
元辰本命年上に加わる。 元辰は即ち毛頭煞。甲子生まれの人、男は午の前一辰未を看て元辰と為し、女は後ろの一辰巳を看て元辰と為す。病を占うに大忌。
白虎並び臨めば主として大凶。 白虎が元辰本命の上に加われば、大凶。
虎と陰神と病の日を傷め、死鬼来たり追えば更に容れず。 白虎の陰陽神と白虎と同じく起病の日を克すか、或いは今日の支干を克せば、必ず死す。天上の死神が墓および行年・日辰の上に臨めば、大凶。死神:正月巳に在り、順に十二支辰を行く。元武が浴盆元辰に臨む者を、浴盆水を盛ると為し、死を主す。白虎の陰神自ら白虎の居る所の神を克せば、病者は必ず死せず。
| 白虎乗神 | 五行の相克 | 病症の部位 | 具体の症状 |
|---|---|---|---|
| 金に乗りて遥かに木を克す | 金克木 | 肝経 | 眼目の病、風病、筋骨の疼痛 |
| 木に乗りて遥かに土を克す | 木克土 | 脾胃 | 脾胃の病、あるいは瘡疽(虎上が下を克す/上が下を生ず/比和なれば、病は外に在り) |
| 水に乗りて遥かに火を制す | 水克火 | 心経 | 瘟疫時気、寒熱の瘧疾、心中発躁、咽喉の疾 |
| 火に乗りて遥かに金を克す | 火克金 | 肺経 | 喘嗽吐血、尫瘦驚恐 |
| 土に乗りて遥かに水を克す | 土克水 | 腎経 | 男子は下部の腎疾、女子は気血順ならず、経脈調わず、瀉痢 |
白虎の乗る所此に依りて別ち、元武に逢うときは水虚羸なり。支に気有れば人は嘔吐し、干虎と類同じくば久しく淹疲す。 凡そ病症を占うは、皆白虎の乗神を以て決す。虎上が下を克し及び上が下を生ずれば、病は外に在り;虎下が上を克し或いは下が上を生ずれば、病は内に在り。
用神の五行遞克して病を論ず:
| 用神の伝遞 | 病症 |
|---|---|
| 用金終に木 | 流血 |
| 用木終に土 | 癰疽 |
| 用水終に火 | 寒兼ねて熱 |
| 火金を克す | 尫瘦あるいは瘡痍 |
| 土水を克す | 淋漓腹急 |
もし本命上の神が子亥に逢わば、腎衰えて羸すと主す。元武体虚なれば水疾と為し、天空は下痢。日干が支を生ずるか或いは三伝を生ずる者は、病皆自ら取る。四課全かさざれば、脈気虚弱的。
伝中に鬼有りて今日を傷めば、看る是れ何の神か禍殃を作す。
| 鬼の五行に臨む | 祟の来源 |
|---|---|
| 木 | 自縊の鬼、或いは修造によりて祟を致す |
| 金 | 刀傷の鬼、或いは神堂禍を為す |
| 火 | 竈神、五道、城隍の禍を為す |
| 水 | 溺死の鬼、或いは河伯水神 |
| 土 | 宅神土神の禍を作す、須く祭祀すべし |
鬼の天将に上るを辨じて祟を看る:
| 天将 | 祟の種類 |
|---|---|
| 貴人 | 天神および廟の家親 |
| 螣蛇 | 道路の鬼、五道邪神、客死の道路の者 |
| 朱雀 | 野死の鬼、咒詛の社廟 |
| 六合 | 自死の鬼、司命、芒神 |
| 勾陳 | 吏卒の鬼、土神、路頭に兵死し、客死せる鬼、人に連れ來らる |
| 青龍 | 貴人の鬼、司命の願神 |
| 天空 | 鬼無し、無辜に罪死す、半空を遊荡する邪神 |
| 白虎 | 兵死の鬼、刀傷に客死す、痨病に死す |
| 太常 | 新死の鬼 |
| 元武 | 盗賊財帛の鬼、水に墜ちて亡ず、瀉痢の鬼 |
| 太陰 | 絶嗣の鬼、血亡の鬼、神仏を敬わざるに由る |
| 天后 | 女子の鬼、若くして亡ずる者、産死の者 |
伝中に鬼に逢い長生に落つれば、法に依りて詳しく推す理最も精し。
| 鬼の臨む位置 | 祟の種類 |
|---|---|
| 長生(己月に木を見るが如し) | 婆神五道の祟 |
| 沐浴 | 河官水中の鬼(河伯水神) |
| 冠帯 | 家堂香火の神、功徳を修すべし |
| 臨官 | 詞訟曾て願を留む,還願すべし |
| 帝旺 | 家先祖宗あるいは土地(旺相なるは),自死の邪神(休囚なるは) |
| 衰 | 木下の山林 |
| 病 | 家先墳墓の霊 |
| 死墓 | 先亡の公伯の禍 |
| 絶 | 流荡の客傷(路頭に客死す) |
| 胎 | 産死 |
| 養 | 神廟 |
日上の神が発用するは外鬼、支上の神が発用するは内鬼。
日辰月建の前に居りて二たびするは、此れ天医と為し地医に対す。 甲子日占うに、前二寅を天医と為し、其の対沖申を地医と為す。
今日の救神同じく虎を克せば、当に知るべし減退すること必ず疑い無し。 日辰年命上の神が白虎を克制すれば、その病即ち癒ゆ。
| 医神の五行 | 治療の方式 |
|---|---|
| 土 | 丸散 |
| 水 | 湯薬 |
| 火 | 灸す |
| 金 | 針 |
| 木 | 薬(草木の薬) |
魁罡の下に医を請うを用いること勿かれ。 魁罡の下には医を求むべからず、宜しく徳神、生氣の下に往きて医を求むべし。天医、地医、生氣、此の三方病を避けて吉。
脈象の判断: 三伝俱に陽なれば其の脈浮か,俱に陰なれば其の脈沈む;二陽一陰なれば其の脈緊く、二陰一陽なれば其の脈緩し;三伝俱に旺なれば其の脈洪く、中伝空亡なれば其の脈芤なり;伏吟なれば其の脈澀く、返吟なれば其の脈滑なり;四課備わらざれば其の脈虚し。天乙順治なれば気必ず順に、天乙逆治なれば気必ず逆す。陰気の病は多く右に在り、陽気の病は多く左に在り。
医薬如何にして瘥因を辨ずる,行年の上に何の神か有る。天乙の乗る所皆旺相なれば、其の虎鬼を傷めて迍と為らず。
| 状況 | 結果 |
|---|---|
| 白虎鬼と作りて遥かに干を克し、天乙旺神に乗りて日辰の上に立ち反りて白虎を制す | 必ず癒ゆ |
| 白虎旺相に乗らず、又空亡、三合、六合に落ち、日と相生す | 凶と為さず |
| 日干旺相にして気有り | 病軽し |
| 三伝鬼を制し虎を克す | 病重しと雖も救い有り |
子日期と作りて退限と為し、還た戊己の庚辛に瘥ゆるが如し。 病の癒ゆる日は、鬼を制し虎を制する日及び鬼虎囚死の日を以て病瘥の期と為す。戊己日に病めば、当に庚辛日に癒ゆべし。
行人の久しく帰らざるを思望すれば、須く運式を憑りて之を占うべし。
| 行人の至る方角 | 限神 | 至期は看る |
|---|---|---|
| 東方、南方 | 酉を限と為す | 子上の神を至期と為す |
| 西方、北方 | 卯を限と為す | 午上の神を至期と為す |
陰陽二至の法: 外に居り内の人を望むは、夏至辰の陽神を以てす;内に居り外の人を望むは、冬至辰の陽神を以てす。もし今日の日辰に臨み及び今日の干の本・中・末上に臨めば皆来たる。
行人の方位と帰期の例:
| 行人の身の在る所 | 臨処 | 意味 |
|---|---|---|
| 戌(天魁) | 亥に加わる | 始めて衣を装う(動身の準備) |
| 戌 | 子に加わる | 半道(路の途中) |
| 戌 | 卯に加わる | 限りを得(将に至る) |
| 天魁寅地に加わる | 午上に功曹を見る | 甲乙寅卯日に到る |
| 天魁卯地に加わる | 午上に大吉を見る | 戊己日に到る |
用神三合法: 用神三合の支を以て、辰上に得る所の神を至日と為す。壬癸日用水神を起こせば、申子日に至る。発用以て天罡を起こすは墓に遇うと為し、墓に遇えば即ち止まりて来たらず。
行年限度の推法: もし方所を知らず、または行人が千里の外に在るならば、其の人の行年の臨処を見て便ち方所と為す。行年亥に立ち、登明卯に加われば、已に路に在り;登明午に加われば、即ち至る。初伝天乙の前に在り、末伝天乙の後ろに在るは、来たる。末伝卯酉に臨めば来たる、大煞が駅馬に乗ずれば来たる。末伝空亡墓絶なれば、来たらず。
人の身分と方位を辨ず(類神法):
| 類神 | 所が代表する人事物 |
|---|---|
| 太常 | 衣服、娘父 |
| 六合 | 媒人、孫と児 |
| 青龍 | 月友、銭、夫婿 |
| 天后/神后 | 妻/姫 |
| 太乙/太陰 | 兄弟 |
| 勾陳 | 兵吏、甲毛皮 |
| 天空/酉戌 | 鶏、奴婢 |
| 白虎 | 病人、喪柩 |
| 元武 | 陰私、盗賊 |
| 朱雀 | 官吏、文書 |
| 功曹 | 狸豹、賢名、道士 |
| 伝送 | 刀兵、僧と医 |
| 太沖 | 驢兔、舟車、木 |
| 勝光 | 獐鹿、馬兼ねて麋 |
| 小吉 | 雁鷹、羊酒 |
| 登明 | 豕熊罴 |
六親類神: 日干を生ずるを父と為し、支辰を生ずるを母と為す;日干と比する者を兄弟と為し、支辰と比する者を姉妹と為す;日干の生ずる者を子孫と為し、支辰の生ずる者を女、孫女と為す;日干の克する者を妻財と為す(旺相にして合すれば妻、旺相にして合せざれば妾なり;囚死比なれば財なり);日干を克する者を官鬼と為す(旺相徳合なれば夫婿あるいは官星なり;囚死なれば鬼なり)。馬は勝光を視、牛は大吉を視、魚は天罡を視、衣服布帛は太常を視る。
用神三合で帰期を判ず: もし類神限に臨まざれば、用神三合の子午上に在る有る無しを見る。文書を占えば朱雀を視るが如し、朱雀戌に加わり、卦炎上を得、天魁午に加われば、即ち三合神至に臨む。
支前四位法: もし類神限に臨まざれば、用神三合また限に臨まざれば、今日の支前の四位を視る。正月丁亥日寅時の文書を占うに、亥前の四位は寅,寅上に亥を見るに朱雀を作せば、文書は当に寅日に至るべし。須く類神の上に在るを以て方可に推す。
その他の帰期判断:
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 遊神孟に臨む | 来たらず |
| 遊神仲に臨む | 半路 |
| 遊神季に臨む | 即ち到る |
| 二馬伝に入るか日干に臨む | 中途に行く |
| 駅馬支に臨む | 到る |
| 陽日伏吟順伝 | 来たる |
| 陰日伏吟逆伝 | 来たる |
| 伏吟伝逆(陽)/伝順(陰) | 来たらず |
遊神:春は丑、夏は子、秋は亥、冬は戌。戯神:春は巳、夏は子、秋は酉、冬は辰。
年前の寅申は意返らず、巳亥の本郷は心尚お依る。季に処れば必ず他邑の鬼と為り、仲に乗れば前途に病を抱き羸す。
行年の臨処を以て往く所の方と為し、行年の上神を以て何れの方より家に還るかを為し、行年の臨処上下相乗じて道里の多少を言い、旺相休囚に按じて増減す。
| 行年孟に臨む | 判断 |
|---|---|
| 巳亥 | 帰意あり |
| 寅申 | 帰期なし |
| 仲に臨む | 病 |
| 季に臨む | 死 |
| 行年旺相にして方上の神と比和相生し、吉神を帯ぶ | 外に平安にして、家業を求めて立てる | | 行年囚死にして、方上の神に刑克せられ、凶神を帯ぶ | 外に在りて死せずんば即ち病む |
行年の上神もし支上の二課に在りて発用するか、或いは三伝に入る者は、必ず来たるの象なり。伝に入らず、支と和せざる者は、終に帰り能わず。末伝上が下を克すれば才ち動き、下が上を克すれば将に動く,上下相生すれば動かず。末伝日干の絶神なれば、即ち来たる意ありと雖も、亦た必とすべからず。伏吟三伝順なるは、柔日来たらず、剛日伏吟は来たる速やかなり。
三千里の外は将軍の下,千里は須く歳支を看るべし。五百は只だ月建を求むべく、百里は干に臨み五十は時に臨む。
| 距離 | 所看の神 |
|---|---|
| 三千里の外 | 大将軍煞 |
| 千里の外 | 太歳 |
| 五百里の外 | 月建 |
| 百里 | 天干 |
| 五十里 | 正時 |
所看の神の卯酉に加わるを路に在りと為し、子午に加わるを即ち至る。
大将軍煞: 寅卯辰の年は子に在り、巳午未の年は卯に在り、申酉戌の年は午に在り、亥子丑の年は酉に在り。
遊神加臨: 孟に加われば未だ来ず、仲に加われば発し、季に加われば久しからずして帰る。もし類神遊神を作さざれば、亦た期すべき難し。
戯神加臨: 天干の同類の上に加わるを、外親表親と為す;支の同類の上に加わるを、内親己親と為す。甲子日の春占に、巳戯神と為し卯に加わり朱雀に乗ずれば、卯は甲干と同類,是れ外族の表親,当に卯日に至るべし。朱雀は文書,信有りて至る。
孟は勝光を以て仲は未とし、季は伝送を将として太歳に加う。当に罡の下に将軍を訪うべし、土を動かし営を修するは多く不利なり。
将軍は三年一宮に移る。三千里の外は将軍煞の臨処を看て至期と為す。千里は歳支を看、五十里は時の臨処を看て、即ち到る日と為す。更に天罡の加臨を見る:孟に加われば未だ来ず、仲に加われば発し、季に加われば至る。天罡を見ざれば、即ち遊神の発用する者の帰るを見る。遊神を見ざれば、度限を以て推すべし。
人暫時に出でて何時帰るか、門を出づる時に日支に加う。亢星の下の辰に応じて到るべきか、或いは貴人の臨むを見れば即ち帰る。天罡季に加われば門前に待ち、伏吟に値うを占えば相見ゆること遅し。
門を出づる時を以て今日の支上に加え、天罡の臨む所を視て到る日と為す。貴人が今日の支辰の上に加わる者は、即時に至る。
来人問信の时辰を知るに、対宮より子を起こし順に排轮す。天罡に数え至れば方に保とすべく、其の孟仲季に分ちて胆をなす。もし四孟に加われば未だ帰る意に非ず、仲に加われば路に在り季に加われば門に至る。
巳時の来人問信の至るや否やの如く、巳時の対位亥上より子を起こし、順に天罡に数う。天罡卯に加われば、卯は仲,信已に路に在り。
門を出づるを擬する時に行くや否やを定むるに、須く行年と日辰とを看るべし。太沖伝送魁罡の立つ,或いは時の前に在れば定めて程に渉る。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 正時卯酉申を日辰年命の上に見るか、或いは正時支の前 | 定めて行く |
| 時の後ろに居す | 未だ行かず |
| 関墓日干に加わる | 動く能わず |
| 年命上の神関墓神を衝破す | 動く能う |
| 天将廟に入る(天乙丑に乗ずるが如し) | 動く能わず |
| 日干空亡を見る | 動く能わず |
| 伏吟課 | 動かず |
| 魁罡日辰に加わる | 已むを得ず迫促されて動く |
| 三合六合日辰に臨む | 動くも遅し |
| 日伝墓を生ず | 動けば必ず速やかなり |
| 天罡季に加わり神外に在る | 必ず行く |
去る時干の吉なるは陸に行くに宜しく、支の吉なるは何ぞ水路の行くを妨げん。太沖は蛇虎に逢うを忌むべし、船覆り車翻れば必ず人を損なう。
太沖は車船を主り、土に在れば車と為り、水に在れば船と為る。螣蛇白虎に逢えば凶を主す。値符、往亡、天車、飛廉、天地転煞、劫煞、遊都、魯都、螣蛇、白虎、勾陳、朱雀、空亡、日鬼の日干に加臨するか或いは三伝に入る者は、皆動くに宜しからず。
久雨何れの時にか用いて即ち晴れん,巳午螣蛇朱雀並ぶ。三伝皆土なれば雲応に散ずべく、天空晴霁山岑に映ず。龍もし旺に乗れば金尚お陰なり,火神の臨処は是れ晴辰。
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 日辰上の発用巳午、螣蛇、朱雀を見る | 晴る |
| 天空 | 暁晴 |
| 三伝皆土 | 雲散ず |
| 青龍旺に乗ず | 金尚お陰(未だ晴れず) |
| 火神の臨処 | 晴日(今日より火神の臨処に至るを晴日と為す) |
晴神:子日は午に在り、丑日は未に在り、即ち支辰対沖の位。
陽即ち晴と為し陰即ち雨と為す,積陰して霽れんと欲すれば陽主を観る。丙丁生旺発用の時,壬癸休囚なれば晴る可く許す。火神東南の路を越えず,蛇雀又来たりて頭上に住まば,須く更に皎日に晴空を見るべし、縦え余陰有りとも着く処無し。
風を占い雨を候うに龍虎を徴し、用起かねて日辰を見る。気有りて刑を帯ぶれば来たること必ず速やかに,休廃空亡なれば略ぼ塵を洒ぐ。子卯相加わりて枯穂を救い,玄合伝に立つて涸鰭を興す。白虎若し来たりて亥子に乗れば、雨尚お連綿として未だ肯んじずして晴れず。
雲は龍に従い、風は虎に従う。子は雲と為し、卯は雷と為す。玄武六合は雨あり。龍虎の神気有れば風雨生じ、雷電並びに大風雨あり。
水漲みて木を傷め民を殺さんと欲す,進退時を加えて日辰を見る。支干を傷め日吉は漲く猶お速やかに,支吉干傷は退き因循す。日辰俱に損ずれば須臾に退き,並びに相傷まざれば水平穩なり。
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 支干を傷め日吉 | 漲く猶お速やかなり |
| 支吉干傷 | 退き因循す |
| 日辰俱に損ず | 須臾に退く |
| 並びに相傷まざる | 水平穩なり |
前程を出でて尋訪の人を求めんと欲す,其の居処に看る何の神にか対するを。神上値方用に臨み合すれば、三六相呼び見且つ忻ぶ。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 其の人の居方の上神と用神三合、六合 | 相見えて且つ喜ぶ |
| 正時卯を用う(戌方に往かんと欲す) | 卯戌六合,相見えて必ず喜ぶ |
| 用神寅午(戌方に往かんと欲す) | 寅午戌三合,亦た喜ぶ |
| 天空、旬空、落空 | 合すと雖も相見えず |
| 戌は天頭と為し、巳は地足と為して日に加わる | 相見ゆるを主す |
| 頭足に加わる | 見得 |
| 足頭に加わる | 見得ず |
| 斗罡孟に加わる | 人在りて家に在り,相見ゆる可し |
| 斗罡仲に加わる | 門に在り |
| 斗罡季に加わる | 外に在り,見得ず |
| 勝光神后 | 人は外に在りて之を待つに宜しく、見得 |
| 従魁 | 途中に相見ゆ |
| 小吉青龍に乗り日辰に加わる | 家に在りて飲酒す |
| 昴星伏吟(柔日) | 身を愛に隠す,見得ず |
人と期約して此に来たり遊ばんと,当に已に過ぎ未だ曽て来たらずや為すべし。斗支干に系わり及び仲に臨まば、直だ須く相見えて催すを須いず。斗日に在り前にして季上に加われば、期人前去して趕い返し難し。更に昴星伏吟の卦に値わば、家に在りて出でず、相猜む莫かれ。
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 斗罡支干に系わり、仲に臨む | 即ち相見ゆ |
| 斗日の前に在り、季に加わる | 人已に前去し,趕いて返る難し |
| 昴星伏吟 | 家に在りて出でず |
| 絳宮亥仲に加わる | 未だ至らず |
| 明堂仲に加わる | 必ず会す |
| 玉堂丑仲に加わる | 已に去る |
日久しく家を離れ思慮攒まり,日辰の上に於いて疑端を発す。朱雀口舌兼ねて火を憂え,元武陰私盗賊の奸なり。勾陳刑鬥虎衰病,螣蛇驚怪太陰安し。六合青龍歡局の席,太常天乙客来たたり看る。
日干を以て占者の己が身と為し、支辰を以て宅と為す。支辰凶神悪将に乗ずるは、家中の災異を主す;吉神良将に乗ずるは、家中必ず喜庆あり。
客と為りて主人の意を知らざれば、善悪分ち難く未だ敢えて投ぜず。辰は主人日に客と為し、辰上の相生なれば吉にして投ず可し。
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 辰上日と相生し、旺相に居す | 是れ長者,客住む可し |
| 日上凶神悪将に乗じ遥かに辰上を克す | 客意善ならず,留む可からず |
| 辰上凶神悪将に乗じ遥かに日上を克す | 主人不良なり,宿を留む可からず |
| 年命上凶神悪将に乗ず | 住む可からず |
| 年命上吉神良将に乗ず | 必ず長者に遇い,留まり住む可し |
| 支上登明、天空に乗ず | 賊家なり,必ず来たりて奸詐誘引す |
| 支上魁罡、蛇虎に乗ず | 最も悪しき家 |
| 支上勝光従魁を見る | 亦た善き主に非ず |
| 神后加臨 | 投宿す可からず |
客来たり投じて寄する時,其の彼意の何を為さんとするかを知らざるなり。辰上の陰神を見て善悪を看る,遥かに干神を克せば必ず敗危す。更に支神の臨む所を視る,此の処の神日を傷めば宜しからず。其の事の発する緣何の故ぞと問えば,当に天官を用いて以て之を決すべし。
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 日辰上の神を克す | 留む可し |
| 辰の陰神(第四課)日上の神(第一課)を克す | 收む可からず,其の物必ず賊の贓,後に必ず敗累す |
| 辰上の神日上の神を克す | 亦た留む可からず |
尊官を謁見するに何の宜しきか?青龍小吉伊に投ず可し。斗罡孟に加われば求め獲,季に加われば空しく回り仲は之を待つ。
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 日辰相生 | 彼我見喜ぶ |
| 相克 | 見て喜ばず |
| 日辰上青龍、太常、六合を見る | 求むる所必ず得 |
| 神将吉ならず | 求むる所無し |
| 斗罡孟に加わる | 求むる所獲 |
| 季に加わる | 空しく回る |
| 仲に加わる | 之を待つ |
彼人來たりて未だ真を得ず,時に加うるに細かに日兼ねて辰を見る。辰上の神有りて日上を傷まば、來者の言辞妄りに陳べず。日は來使と為し辰は我と為す,干もし支を傷まば是れ妄の因。陰空蛇虎魁罡の立つ,六将干に臨まば必ず人を誑す。
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 支上の神干上の神を克す | 其の事信ず可し |
| 干上の神支上の神を克す | 信ず可からず |
| 太陰、天空、螣蛇、白虎、天魁、天罡日干に臨む | 虚詐にして信ず可からず |
| 空亡、渉害伝用に入る | 皆虚 |
| 天罡孟に加わる | 信ず可し |
| 仲に加わる | 半実半虚 |
| 季に加わる | 全く虚にして実せず |
| 返吟 | 人情相背く |
| 申辰朱雀に作す | 言多く奸詐にして、信ず可からず |
伝凶事は白虎を視る,今日と相生比合なれば即ち是れ実なり;伝吉事は青龍を視る,今日と相生比合なれば即ち是れ実なり。
佳賓有りて沽わんと欲す,他に酒有りやと問うに又我を疑う。従魁孟に加われば今まさに醸し,仲に臨めば醇香季に竭枯す。列将大吉の加臨処,支未子に臨めば半壺を得。
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 従魁孟に臨む | 始めて醸す |
| 仲に臨む | 已に熟す(醇香) |
| 季に臨む | 酒無し(竭枯) |
| 小吉旺相の郷に臨む | 酒有り |
| 小吉休囚の郷に臨む | 酒無し |
| 日上の神功曹、魁罡を見る | 酒初めて熟す |
| 神后、小吉を見る | 酒有りと雖ども多からず、只だ半壺 |
| 青龍六合日上に加わる | 定めて酒有り |
| 木に加わる | 味酸し |
| 火に加わる | 味苦し |
| 土に加わる | 味甜し |
| 金に加わる | 味辣し |
| 水に加わる | 味淡し |
漁猟は太沖を坐神と為し、日來たりて午に加われば虎狼嚬む。丑生方に臨めば當に是れ失,伏昴空回り人に利しからず。支は魚鳥と為し干は網と為す,干支を傷め日吉は禽鱗を獲。占時克を受くるを多く得と為し,営室は休んで日と辰とに加うること勿かれ。
| 課象 | 判断 |
|---|---|
| 日上の神気有り、辰上の神気無し | 必ず獲 |
| 相反 | 獲ず |
| 伏吟課 | 得ず |
| 人行年上、日辰上の神物類を制する能う者 | 必ず得 |
| 天罡季に加わる | 必ず得 |
| 孟に加わる | 得ず |
| 日干午に加わる | 不利(離中虚) |
| 卯は傷門 | 獲あり |
| 丑は生門 | 得無し |
| 柔日伏吟、昴星 | 獣伏蔵して出でず |
| 亥は営室(開門) | 禽獸地を得,獲り難し |
| 干支を克す | 得可し |
| 支干を克す | 得可からず |
| 正時克を受く | 必ず多く獲 |
怪有りて人を驚かすに須く瘊憂すべし,三伝の神将を辨じて其の由を究む。又怪の是れ何の神の類なるかを看る,三十六禽次に依りて求めよ。
| 課象 | 怪異の種類 |
|---|---|
| 巳天空に作す | 水虫の物 |
| 酉六合に乗ず | 釜鳴の鳩 |
| 戌六合を並ぶ | 神の驚く犬 |
| 罡螣蛇に附す | 井の沸き流る |
| 太乙亥蛇を並ぶ | 厠に入る |
| 伝送光明大吉 | 牛 |
凡そ怪を占うは、先ず螣蛇を視る,次に月厭、大煞、直符を看る。螣蛇の陰神生氣旺相に作すは、必ず活物なり;死氣休囚に作すは、必ず死物なり。
月厭: 正月戌より起きて十二を逆す。大煞: 正月戌、二月巳、三月午、四月未、五月寅、六月卯、七月辰、八月亥、九月子、十月丑、十一月申、十二月酉。直符: 甲日巳、乙日辰、丙日卯、丁日寅、戊日丑、己日午、庚日未、辛日申、壬日酉、癸日戌。天目煞: 春は辰、夏は未、秋は戌、冬は丑,怪異を主る。
三十六禽十二宮に分かち、旦時、昼時、暮時に按じて分かつ: 寅より巳に至るを旦と為し、午より酉に至るを昼と為し、戌より丑に至るを暮と為す。
| 地支 | 旦 | 昼 | 暮 |
|---|---|---|---|
| 子 | 燕 | 鼠 | 蝠 |
| 丑 | 牛 | 蟹 | 鱉 |
| 寅 | 豹 | 虎 | 狸 |
| 卯 | 貉 | 兔 | 狐 |
| 辰 | 龍 | 蛟 | 魚 |
| 巳 | 蛇 | 蟮 | 蚓 |
| 午 | 馬 | 鹿 | 獐 |
| 未 | 羊 | 鷹 | 雁 |
| 申 | 猿 | 猴 | 猱 |
| 酉 | 鳩 | 鶏 | 雉 |
| 戌 | 狼 | 犬 | 豺 |
| 亥 | 猪 | 狳 | 豕 |
正時三伝中に螣蛇有れば則ち怪と為し、無ければ則ち怪と為さず。神后の加わる所の地盤の神と日辰と相吉なれば禍と為さず、相克すれば則ち凶禍と為す。何の物を怪と為すかを占うに、神后の加わる所の地盤の神の五行を以て之を決す:木は林花草木の器を主り、金は金石器物を主り、水は河伯水神の猪鼠を主り、火は神廟祠宇の神鬼を主り、土は家神祖先の神像を主る。
博戯三伝吉将の立つ,兩人倶に課すれば年に行きて推す。年の上に吉神雖も主として勝つと雖も、凶神に克せられ被ればも衰う。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 一人のみ占う | 三伝吉神良将有れば必ず勝つ |
| 兩人占う | 各お行年の上神を看る,我彼を克せば則ち彼敗れ、彼我を克せば則ち我敗る |
| 年上吉神良将有り | 勝つ可しと雖も、凶神に遥克せらるれば亦た敗る |
| 三人以上 | 皆行年の上神を看る |
| 二人同年 | 主客を分かつ:先に起つを客と為し、後に応ずを主と為す,日干を客と為し支を主と為す |
| 支干を克す | 主勝つ |
| 干支を克す | 客勝つ |
| 吉将に乗ず | 尤も吉 |
| 伝人孤の上に在り | 勝つ |
| 虚の上に在り | 負く |
孤虚とは、六甲旬中の空亡を孤と為し、孤の対沖を虚と為す。日上に天乙、青龍、太常を見、又辰上の神を制すれば、客勝つ;支辰の上に此れを見れば、主勝つ。
『大六壬心鏡』巻七の諸門は、干支・神将・三伝を情報载体として、完全な符号システムを構築して人事の吉凶変化をシミュレートすることを核心としている。疾病門は日干を病人・支辰を病所・白虎を病神・用伝を医薬とし、「人—病—医」の三者対応関係を確立し、五行の生克を通じて病状の推移を判断する。行人門は日干を行人・支辰を宅とし、類神臨限・三合六合・遊神戯神などの多重指標を通じて綜合的に帰期を判断する。全体系は象数合一を強調する:天盤の各神将が臨む地盤の位置は、同時に時間情報(いつ)、空間情報(どちらへ)、事態情報(なにごと)を担う。
認知科学の観点から見れば、六壬の占断論理は本質的に**複雑な「意思決定支援システム」**を確立したものである。人間の不確実性への不安(病気が治るか、行者がいつ帰るか)を、操作可能な記号推演プロセスに変換する。これは、古代にビッグデータや統計モデルがなかった時代に、構造化された思考方法を提供した。
疾病門の五行弁証思考は注目に値する:白虎が金に乗り木を克せば肝病、火に乗り金を克せば肺病。これは中医の五行蔵象学説と高度に同構である——木は肝・火は心・土は脾・金は肺・水は腎を主る。したがって六壬の疾病占断は中医診断と同じ宇宙論の枠組みを共有しており、孤立した神秘技術ではない。現代人はこれをシステム論に基づく健康リスク評価モデルとして理解できる:複数の次元の記号情報(白虎乗神・入墓類型・三伝吉凶)を通じて病状の推移を総合評価することは、現代医学の多指標総合スコアに類似する。
行人門の類神体系は古代の情報管理の知恵を示す。通信が発達していない時代に、人々は「帰期不明・方位不明」の不確実性に対処する方法を必要とした。類神法(朱雀を文書・天空を奴婢・伝送を僧医とする)は実質的に社会役割を記号システムにマッピングし、推演者が探索対象に応じて対応する記号の手がかりを選択できるようにする。
疾病占断の現代変換: 現代医学診断の代替とすべきではないが、そこにある系統的思考は参照に値する。「日克辰は人が病を克し治り易く、辰克日が白虎に乗れば病が人を克し必ず死す」は、人の自己調節能力(日干)が病理要因(支辰/白虎)より強い場合は予後良好、逆なら危険、と理解できる。これは現代医学の「患者の基礎体質と疾病重症度の関係」と通じる。
行人帰期の意思決定参考: 現代では携帯電話の位置情報が「人がどこにいるか」の問題を解決したが、六壬行人門の多重情報クロス検証の考え方は依然として価値がある。例えばビジネス協力で相手がいつ返信するか、プロジェクトがいつ進展するかを判断する場合、「類神臨限」「三合臨至」「遊神加臨」の多次元判断方法を、「仮説—アクション—レビュー」の意思決定フレームワークに変換できる:予期時点を設定し、中間シグナルに基づいて期待を調整し、最終的に判断を検証または修正する。
天時占の実用意義: 農業・アウトドア活動・航空などの業界にとって、天気予報は依然として現実的意義を持つ。六壬天時門の「火神臨処は是れ晴辰」「白虎亥子に乗れば雨連綿」といった規則は、気象衛星の代替にはならないが、経験的観察記録として、古人の気象規則に対する長期の総括を示す。
六壬体系の最も深い哲学的基盤は**「天人合一」と「象数同源」である。宇宙のすべての現象——疾病・旅行・天気——が一套の記号システム(干支・神将・三伝)によってシミュレートされ予測できると仮定する。この思想の根源は次にある:古人は宇宙を有機的全体と見なし、局所(占時の課式)が全体(事態の发展趋势)を反映できると考えた。これは現代物理学のホログラフィック原理**——局所が全体の情報を含む——に類似する。
「六般入墓」の思想は殊に深遠である。墓は五行の中で「収蔵・終結・帰宿」を表し、入墓は事物が終結段階に入ることを意味する。疾病占断の身入墓・魂入墓・鬼入墓・日入墓・支入墓・行年入墓は、六つの次元から同時に「終結」の可能性を評価する。この多次元的終局判断は、現代のリスク評価における多因子モデルと論理的に一致する。
「何の鬼祟かを占う」部分は疾病を超自然的要因と結びつける。現代の観点から見ると、これは古代の医学と宗教が未分離であった歴史的状態を反映する。分析心理学(ユング)の視点では、「鬼祟」は無意識下の心理的葛藤や未解決のコンプレックスと理解でき、鬼祟を占断するプロセスは不可視の心理的内容を記号化・外在化し、直面し処理できるようにする方法である。
| 概念 | 説明 |
|---|---|
| 白虎 | 十二天将の一つ、疾病・喪亡・刀兵を主る。疾病占では病神と断じる |
| 入墓 | 五行十二宮の一つ、「収蔵・困頓・終結」を主る。六壬では入墓を凶象とする |
| 類神 | 六壬で特定の人事物を表す神将または地支。朱雀は文書、青龍は財を主る |
| 天医/地医 | 医療の神。天医は月建の前二辰、地医はその対沖 |
| 浴盆煞 | 春辰夏未秋戌冬丑。玄武に乗れば凶を主る |
| 喪車煞 | 正月未、二月辰、三月丑、四月戌、四季を逆す。死亡を主る |
| 元辰煞(毛頭煞) | 本命の沖前一辰(陽男陰女)または沖後一辰(陰男陽女)。大忌 |
| 遊神/戯神 | 行人の遠近を判断する神煞。遊神は春丑夏子秋亥冬戌;戯神は春巳夏子秋酉冬辰 |
| 大将軍煞 | 三年一宮に移る。遠距離行人の占断に用いる |
| 三十六禽 | 十二支ごとに旦・昼・暮の三時に分かれ、異なる禽獣に対応。怪異の占いに用いる |
当代の六壬研究は主に台湾・日本・韓国に集中している。台湾の秦瑞生、張容平などの学者は『大六壬心鏡』の系統的な整理と研究を行い、特に課式構造分析と現代応用において深い考察がある。日本の大六壬研究は陰陽道・天文道との交差に重点を置き、京都大学人文科学研究所には複数の六壬古籍善本が所蔵されている。デジタル化の面では、六壬排盤ソフトウェアが『心鏡』の古法規則を計算可能なプログラムとして実装し、伝統的な課式推演をより便利にしている。学術史の観点では、六壬の神将体系と漢代官制の対応関係(青龍は貴族に、勾陳は吏卒に対応)は、その記号論理を理解する重要な入口である。
巻七は疾病・行人・天時・雑課の四大門類を網羅し、大六壬の中で実用性が最も強く、日常生活に最も近い部分である。疾病門は白虎を病神・入墓を凶象・天医地医を救助とする完全な判断フレームワークを確立した;行人門は類神・限神・遊神・戯神などの多重メカニズムを通じて帰期と方位を綜合判断する;天時門は龍虎蛇雀などの神将を五行に配合して晴雨を判断する;雑課門は訪人・期会・寄物・謁貴・漁猟・怪異・博戯などの日常雑事に及ぶ。これらの内容は六壬の「占わざる事なく、包まざる物なし」という体系の特徴を示し、不確実性に直面した古代中国人が記号化思考を通じて秩序感を確立する知恵を表す。巻七を学ぶ重点は、干支・神将・三伝の間の生克関係が現実の状況にどのようにマッピングされるかを理解することであり、歌訣を機械的に適用することではない。