読み込み中...
全 12 章中 10 章
易冒
意外に備えることは、君子が警戒するところである。道中の艱難は、古来より記録されている。ゆえに風波・盗賊・疾病・訴訟などの患いは、すべて官鬼を大いに忌む。鬼爻が安静なら、遠遊四海に利あり 🌊。官鬼が交重して発動すれば、半途にして顛蹶(転倒)の危険があることを恐れねばならない。
玄武の鬼が動けば盗賊を憂い、朱雀の鬼が動けば訴訟を防がねばならない。白虎の鬼が動けば疾病を生じ、螣蛇の鬼が動けば風波に驚かされる。勾陳の鬼が動けば期日を定めて行くべからず、青龍の鬼が動けば安逸に溺れるべからず。
車馬の禍いは、鬼が乾震の二卦に発すれば起こる。風波の患いは、鬼が巽坎の二卦に発すれば生ずる。艮の鬼は山間の患いを防ぎ、坤の鬼は野外の凶を避け、离の鬼は市肆にて心を戒め、兌の鬼は庵祠に留意せよ。
水鬼は舟楫に乗るべからず 🌊、木鬼は車輿を駕するべからず 🌱、土鬼は徒歩で荷を負うべからず、金鬼は兵刃を慎むべし、火鬼は炊爨を戒むべし 🔥。
午鬼は驢馬の跌摔(転倒)を主し、酉鬼は酒食の失態を主す。木鬼は東方に応じ、金鬼は西方に応ず。
咸池は婦女の患い、劫煞は嘲弄欺瞞の害、耳目(天耳・天目の二星を指す)は音信の訛り、天賊は窃盗の害を主す。
およそ一鬼動けば、一禍に応ず。ゆえに出行の卦に鬼がなければ、「万事永遠に善し」と称する。
しかる後に用象を察す。自ら出行を筮るには、世爻は病むべからず。他人の出行を卜うには、用爻は傷つくべからず。用爻が空に逢えば諸謀は成らず、破に遇えば一身に疾病が染み、絶に逢えば行期を遅らせ、散に遇えば他処に改める。世爻が墓に入れば出でず、退神に化すれば行かず。静にして沖に遇う者は、招かれて遊ぶ。動にして合に逢う者は、繋がれて留まる。游魂の卦は多く定まらない遊行を示し、帰魂の卦は境を越える歩みが難しい。
世爻が官に随いて墓に入れば、阻帯の事が生ず。世が兄弟を持てば、伴侶の友が至る。世が妻財を畜えれば、行糧がある。世が父母に会すれば、嚢資がある。世が子孫に坐すれば、遠近ともに亨通の道である。
昔は明夷・節・艮・坎の四卦を伝えて、出行の戒めとした。今は随墓・助傷の二象を挙げて傷外の憂いとする。用が強く鬼が静かでも、なお忌むべきである。
同行の良き者を筮るには、応爻を用とする。応が我を克し我を沖すれば、共にすべからず。応爻が空散ならば、我を顧みる情がない。応爻が破絶ならば、悖謀の悪がある。もし同行者が親属ならば、用象を求む。同じく安否を筮るには、世爻を見て鬼を索める。
我が出行の成否を筮る:世が壊れれば出でず、鬼が虚ならば出でず、墓退・帰魂ならば出でず。同行者の出行の成否を筮る:世応が合沖すれば偕(とも)にせず、世応が病めば偕にせず、官鬼が失すれば偕にせず。
行期を筮る:用神を出行の身と為し、動けば生に逢い、静なれば沖に逢い、壊なれば補に逢う。その期が定まる。
外に事を求めるを筮るも、また用爻を察す。科第を求むれば文書(父母爻)を考う。升遷を求むれば官鬼を考う、ただし世空なるべからず。尋訪を求むれば用爻を考う。貨利を求むれば財象を考う——これは事を占うのであって、出行を占うのではない。
事を求めて方隅の利を筮るならば、子孫が生旺の方に当たるを察す。出行して趨避の時を筮るならば、官鬼が日月の期に当たるを避く。
風に遇うを筮るならば、兄弟を察す。兄が世を克すれば逆風、兄が世を生すれば順風。兄が実すれば大風、兄が強ければ狂風、兄が弱ければ小風、兄が虚すれば風止む。日辰は天象なり。日が生すれば天順、兄が克すれば風逆なり。
風あるべきか戒惧すべきかを筮るには、鬼象を察す。鬼動けば覆舟の禍いがあり、鬼静なれば折帆の災いはなし。世爻が生旺なれば咎めなし。
関隘を筮るも、鬼爻を察す。応が世を克すれば必ず多く阻隔があり、官が世を克すれば必ず羈留を犯す。子が旺で官が空ならば、遊行は意のまま。越境して販運するも、皆この占いと同じ。
旅寓の安否を筮る:世が壊れば疾病が生じ、鬼が動けば寇賊が至る。世身が生旺ならば、即次して安宁。青龍の福徳が合扶すれば、遭逢の慶びあり。
行者未だ還らず、その帰りを卜筮す。親人は六親を用と為し、疎き者は応爻を用と為す。用爻に病がなければ来帰し、用爻が世を克すれば速やかに至る。これが大要である。
もし用が空・破・散・絶に逢えば、ただ帰期が杳然(はるか)たるのみならず、行人の災病をも主す。もし別に傷なき用爻が見えれば、傷なき者に従って断ず。
用が暗動に逢えば、郷心すでに発す。用が交重に値すれば、舟車すでに発す。動いて日月に臨めば、その日月にて返るべし。動いて退神に化すれば、班馬(引返す馬)して進まず。動いて進神に化すれば、雲を望んで疾駆す。静にして合に逢えば、連れ立って還るあり。動にして合に逢えば、車を攀じるほどの阻みあり。沖に化し沖に化する者は、心を別途に改む。游魂が游魂に化する者は、志他国に徘徊す。
およそ帰期を筮るには:先ず用象に傷なきを求む。世が用を克すれば来たらずして遅く、用が世を克すれば速やかに至る。比和は緩を云い、相生は遲を云う。用の虚は実を以て至り、破は補を以て至り、絶は生を以て至り、無は有を以て至り、衰は旺を以て至る。
用爻動く者は、三合して来たる。用爻暗興する者は、六合して返る。用爻静なる者は、沖に遇いて還る。用爻墓に入る者は、開を得て晤(まみ)ゆ。
地爻(初爻)動けば、彼方にて道に就く。足爻動けば、当日にして乃ち還る。戸戸爻(二爻)動けば、此処にて迎え逢う。
動は速く静は遅し、古今の大義なり。沖は疎く合は親しきは、卜筮の常理なり。游魂は出で、帰魂は入る、卦爻の定象なり。
卦身が月日に合すれば、これは歓迎の会。卦爻が独発・独静なれば、これも突然見える期なり。
期限を限って筮るならば、あるいは年・月・旬・日を期と為す。世が用を克すれば遲く、世用相生なれば緩く、世応比和・用が世を克すれば速し。期限を限る筮いは、神の告げることに特に親しみやすい。
行旅の約束:応が壊れば信を爽(たが)う。空ならず散せず、破れず絶えずんば、必ず期に如いて至る。遅速を問うには、行人の断法の如くす。
中途の会:六冲にして見えず。応が空なれば信ぜず、縦え信ずるも殊途なり。世が空なれば待たず、縦え待つも路を背く。日時来たるを卜うには、実応を以て法と為す。見えるは、実世を以て法と為す。卦身が時に合するを法と為す。
行者が来るや否やを筮るは、虚実を以て言う。行者が遅速は、生克を以て言う。行者の安危は、用象を以て言い、而して官鬼がその災眚(わざわい)と為る。
随鬼・反伏・墓絶は、旅人の凶兆なり。各々用象を以てこれを定む。
水鬼動く者は風浪心を驚かす 🌊、金鬼発する者は兵戈気を奪う、火鬼は飛揚延宕の事を為す 🔥、木鬼は舟楫の累えを為す 🌱、土鬼は歩担の欺き・済用の阻まれを為す。
玄武は細人の擾乱、螣蛇は匪朋の牽引、青龍は良伴の助け、白虎は災禍、勾陳は阻延、朱雀は是非を為す。
用が鬼に化する者は、非径に渉るを恐る。鬼が用に化する者は、泥途に陥るを恐る。
兌鬼が咸池に配すれば、酒色を楽しんで返るを忘る。坎官が駅馬を帯べば、江海に飄いて帰り難し 🌊。乾鬼は琳宮(道観)に惑い、巽官は利を追うに耽り、离鬼は市井に淹留し 🔥、震鬼は舟輿に病み、坤艮は山野に阻まる。
久客の存亡を筮るには、専ら用を取りて鬼を専らにせず。用神が存すれば存し、用神が亡ければ亡ぶ。存とは本有りの謂い(気あり)、亡とは根無き謂い(気なし)。三忌が果たして真ならば、乃ち他郷の鬼と作る。三忌とは:一に命墓(用神の墓に入る)といい、二に反伏墓絶といい、三に空破絶散という。
行者が某地に在るやを筮る:用爻の有るを求むなり。用が動けば他に赴き、用が空なれば別処にあり、用の散は空に同じく、用の沖は動に同じ。
行者が仕官しているか:官が旺なれば仕え、官が空なれば未だ仕えず。 行者が娶ったか:財が現なれば娶り、用が病めば未だ婚せず。 行者が利を得たか:財神の旺を喜ぶ。 行者が他適したか:用象の囚を忌む。阻まれれば他に往かず、病めば更に行かず。 かつて遇うことがあったか:六冲なればその求を遂げず、用が空なればその志に称わず。
音信を筮る:専ら父母爻を察す。父が病めば書信なく、旺動すれば将に至らんとする。沖を受ければ拆(ひら)かれ、空に化すれば遺失す。朱雀を併せば則ち速く、勾陳を併せば則ち遲く、青龍を併せば則ち吉、白虎を併せば則ち凶、螣蛇は茫愕の詞、玄武は幽秘の語。
彼が書を寄せたるやを占う:先ず用、後ろに父。用が殆(あやう)ければ書せず、父が虚なれば信なし。 書に財物を寄せたるか:先ず用、後ろに財。用が空なれば寄せず、財が空なれば物なし。 信の有無は、空と動を以てす。書の到る日は、合と生を以てす。
およそ行者の吉凶、疎き者は応象を以てし、親しき者は用象を以てす。行者の得失、得る者は用爻を以てし、求むる者は事爻を以てす。
舟車は遠くに致す、筮うに戒心あり。故にその利あるを欲せば、先ず患い無きを求む。凡そ舟車の誤り・災疾の擾い・盗賊の虞れ、官鬼の動を以て戒めざるは莫し。助傷・世病は、自身の適(ゆ)くに宜しからず。命墓・用壊は、他人の行くに利あらしめんや。
木鬼交重なれば、舟車の利に恃むことなかれ 🌱。午官発動すれば、驢馬の馳するを楽しむことなかれ。跌(ころ)ぶは、折煞併せて之を興す。劫(おびやか)すは、賊武因りて之を動かす。争うは、朱雀之に与して翔る。驚くは、螣蛇之と同じうして張る。
ただ官鬼の安宁・用神の旺相のみ、舟車驢馬、適(ゆ)くところ安し。
舟車を覓(もと)む:世空・父壊なれば少なし(得難し)。驢馬を覓む:世空・子壊なれば難し。 舟車の完備や否:父壊なれば弊び、驢馬の壮健や否:子旺なれば良し。 舟車の来たって載するを卜う:応壊・父破なれば期なし。驢馬の来たって迎うるを卜う:応動・子興なれば疾(はや)く至る。
舟子・僕夫を筮う:官の差遣は官鬼を用と為し、私の雇いは応爻を用と為す。最も宜しくは世を生じ財を旺ぜしむるにあり、豈に身を克し応を陷るに宜しからんや。
水陸の平安を筮う:また唯だ官福(官鬼と子孫)の動静に憑くのみ。官鬼が衰静なれば事なし。
おおよそ乗る所の利鈍は、父母と子孫を考う。歴る所の安危は、用神と官鬼を察す、この二者のみ。
ただ舟楫の用は広ければ、さらに詳らかにす:
| 爻位 | 舟船の象 |
|---|---|
| 父母 | 船体そのもの |
| 兄弟 | 船の跳篙(艫竿) |
| 妻財 | 船の物用(装備・用品) |
| 官鬼 | 船の魘倒(転覆の患い) |
| 子孫 | 船の輔従(船子・助手) |
| 初爻より上爻 | 船の段節(船首より船尾) |
| 世爻 | 船の主 |
| 応爻 | 船の宰(舵を掌る人) |
| 間爻 | 船の役(船夫・水手) |
以上すべて鬼と並びて動くべからず、また鬼に従いて化すべからず。犯せば則ち凶を徴す。
火鬼は紅光の患いあり 🔥、水鬼は白浪の殃あり 🌊、金鬼は崚峋の石に触れ、病は釘錨に在り、木鬼は家堂の神を犯し、疾は蓬櫓に在り 🌱、土鬼は壅浅の河に搁(の)り、患いは灰泥に在り。
六神が鬼に臨み発動する象:
| 六神 | その位を司る | 鬼に臨むの象 |
|---|---|---|
| 朱雀 | 前の神、頭(船首)を司る | 詞訟あらば飛ぶ |
| 玄武 | 後の神、尾(船尾)を司る | 盗賊あらば揺る |
| 白虎 | 風は虎に従う、帆を司る | 災禍ありて後に動く |
| 青龍 | 雲は龍に従う、舵を司る | 喜慶ありて後に揚がる |
| 螣蛇 | 縄索の象 | 驚恐の災祥を報ず |
| 勾陳 | 房倉の象 | 遲留の得失を兆す |
舟に附けて貨を寄す:応爻を用と為す。応が世を克すれば侵漁多く費え、六冲は半道の変あり、応が壊なれば一力の倚りなし、君子これを避く。
舟を買いて居るは、宅を占うに同じ。船主の人を用いるは、雇傭に同じ。役夫の船に投ずるは、人に事(つか)うるに同じ。麾に投じて庇蔭を求むるは、公役に同じ。差役を防犯するは、訟を避くるに同じ。何の鬼神か問うは、祟りを求むるに同じ。各々その類を推して断ず。
魘倒を考うには官鬼の当に臨む処を以てし、趨避を求むるには官鬼の月に当たる期を以てす。江海を越ゆるには坎艮の戒めを慎み、而して利渉と称す 🌊。
横流の害は、古伝の紀(しる)す所なり。故に河を防ぎて治筑するは、患いを防ぐに同じ。水象に捉われず、専ら官爻を察す。
故に鬼旺・鬼克・鬼動・随墓・助傷:水患を筮れば未だ決せざるは当に決すべく、已に決せしは未だ息まず。堤防を筮れば未だ成らざるは築き難く、已に成れるは当に潰ゆべし。
堤岸の筮いは、父母を用と為す——旺相なれば則ち固く、空破なれば則ち傾く。経始していずれの時にか成功するは、実世実父の期を喜ぶ。期日を刻して今この時成功するやを筮るは、六冲・世空・父壊の象を忌む。これその概略なり。
もし大官が敕を奉じ、小官が命を奉じ、吏民が差を奉ずる:官爻は病むべからず、世位を沖克すべからず。
もし官吏が河工に因りて利鈍を筮れば、逆に官鬼を重くす:官旺・世実なれば則ち記録・陞薦あり。官傷・世空および随墓・助傷なれば、則ち罪戻・降責あり。
もし民夫が苦役を苦しみて吉凶を筮れば、官鬼を忌む:旺動して世を克すれば、労苦して期限なし。命墓・助傷なれば、憂虞測られず。
およそ塘を修め、坪を修め、閘を修め、圩を修め、および路を治し、水を治し、城堡を興営する者は、皆父母を用爻と為す——世実・父旺にして成る。
妨犯を憂え、徭役を苦しむ者は、皆官鬼を忌む——旺動して世を克し、および随助すれば則ち凶。
凡そ差委・雇工を筮るは、皆応爻を用と為す——応旺・実なれば則ち成ることあり、世を克すれば良なし、六冲なれば則ち成り難し。
女子小人は、古より養い難しと称す。もしその盗み逃げなば、主に叛くに同じく、法として寛にし難し。
捕逃の占いは、唯だ世が応を克すれば則ち獲え易し。応が空なれば則ち深澗の逃げ、応が世を克すれば則ち負隅の逝き、六冲なれば則ち交臂にして失い、世が空なれば則ち足を裹(つつ)みて進まず。この四者(六冲・世空・応空・応克世)、いずれか一つ犯せば、獲えうるを知らず。四者の一も犯さざれば、則ち擒(とら)うべきなり。
逃人は内に悖(そむ)きて外に向かう。故に外卦を以て逃ぐる所の方と為す:
| 外卦 | 逃人の方 |
|---|---|
| 坎 🌊 | 北方、あるいは江河の側、漁父の家、盗賊の林 |
| 离 🔥 | 南方、あるいは炉冶の傍ら、市肆の中、文学芸術の場 |
| 震 | 樹木・舟船・車輿・伐採の属 |
| 巽 🌬 | 花園・薪草・桑麻・婦女の類 |
| 艮 ⛰ | 山岳・岩石、樵猟の依る所 |
| 兌 | 池沼・庵尼・酒食の頼る所 |
| 乾 | 寺院・都下・城垣の近き、驢馬駆馳 |
| 坤 | 社稷・墳墓・郊野・田園の近き、耕牧随い行く |
六爻皆静かなれば外卦を求む。一爻独り動けば独発の爻を求む——逃人の心、ここに謀を成すを言う。
独発の爻が六親六神に臨む象:
| 爻臨 | 逃人の投ずる所 |
|---|---|
| 官鬼動 | 士宦の家に投ず |
| 子孫動 | 僧道に投ず |
| 妻財動 | 婦女に投じ、あるいは商賈に傭わる |
| 兄弟動 | 伴と游蕩し、あるいは行伍を逐う |
| 父母動 | 身を技術に栖まわせ、あるいは舟車に附く |
| 青龍 | 良善・書礼・喜慶の家に迹(あと)る |
| 朱雀 | 優伶・字画・鬧市の次に踐(ふ)む |
| 螣蛇 | 賭博・浮蕩・跳梁の場を楽しむ |
| 白虎 | 屠宰・哀喪・行伍の内に匿る |
| 玄武 | 盗賊・酒食・花柳の門に迷う |
| 勾陳 | 郷荘・墳墓の間に蔵れ、および修砌穿鑿の群れ |
卦爻乱動すれば用爻の何宮に在るを求む。用を雑うるには用爻の何卦に在るを求む。用伏すれば飛神の方を求む。用二現すれば親しき者を求む。伏無くば応爻を求む。
世は亡を為し、応は失を為す。内は亡を為し、外は逃を為す。主とすべからずして、兼ぬべし。
親人の逃げは、用爻(六親)に専らにす。他人の逃げは、応爻に専らにす。父子兄弟夫婦男女は親を以て合す、親に悖つと雖も務めて用を用う。友朋師徒奴僕隣交は義を以て合す、已に義に背くとも務めて応を用う。惑うべからず。
間に途に遇う者有るは、六冲これなり。間に意に図らずして擒(とら)うる者は、六合これなり。間に自ら還る者は、帰魂これなり。間に久しく去りて来たる者は、化合(六合に化す)これなり。間に来たりて復た去る者は、化沖これなり。游にして帰る者は心収まり、帰にして游する者は志蕩(うご)く。然れどもその用神が世を克せず、空亡せざるを須(ま)ちて後に可なり。
某地に遁れたるを卜う:専ら用爻を索む。用が動いて沖すれば、則ち是の処に留まらず。用が空破すれば、則ち未だ是の方に及ばず、往きてこれを求むることなかれ。
捕獲の何時なるを占う:世が生じ応が克たるるの期(応の制せらるる時)。もし六親の逃げて帰らば、逆に用神の生旺現れ、世爻の旺合見え、卦身の合遇うを以てす。
是の人誘逃すや:応が世を克すれば誘わるることあり。彼同游すや:応用備わりて比行 (ともにゆく) す。
盗み逃げて遺(のこ)さず:財爻所を失いて復た有るべからず。
訟逃に益あり:官鬼莫く無かれ。蓋し空散なれば我がために遘求せず、破絶なれば事を終えずして停息す。随墓・助傷および官が世を克す者は、猶お薪を抱きて火を救うがごとし。是に非ざれば、然る後に捕逃の法を以て断ず。
我がために覓(もと)めんと許す:応象の虚実を以て之を言う。もし人に責めて逃を覓めしむるならば、捕逃の法を用う。
婦の逃げて節を喪えるや:財実なれば未だ苟(やすく)し。よし、いはゆる貞節を失ってはいない。
群匪に与せずして反噬(かみつきかえす)すや:随墓・助傷・官克・鬼動なれば、後に必ずその害を罹(こうむ)る。
私害を生ぜずや:助鬼傷身および応が世を克する者は、卒(つい)に上を犯し長を弑するの逆あり。
未だ逃げずしてその将に逃げんとするを筮る:用が世を克すれば叛心を萌し、用が空破なれば實事なし。
親人の逃げて安なるや:命墓・鬼動なれば、窮途日暮の憂いあり。用実・卦安なれば、即次して虞えなきの好しきあり。その存亡を卜うには、独り用神の生壊を以て断ず。
僧道と為るや:用が病めば成ることなし。 名利を求むるや:用が実なれば得ることあり。 尋ねずして自ら帰る者:用が壊れれば帰るを忘れ、用が世を克すれば終身の叛なり。
逃げ帰りて復た留まるは、収雇に同じ。心を回して恩撫は、用人に同じ。
故に捕逃は、世が応を克すを主と為し、世が生じ応が克たるるの期を得て擒(とら)う。捕盗は、子が官を克すを法と為し、子孫の日月に当たるの期に獲る。蓋し逃は応を以て象と為し、盗は鬼を以て象と為す。これは須く弁別すべし。
私闘・角勝は、善良の戒むる所なり。あるいは已むを得ずしてこれに応ず。彼我の勢いは、ただ世応に憑り、六親に従わず——事訴訟闘に至れば、骨肉と雖も仇讐の如し。即ち六親皆世応を用う。
応が世を克して敗に逢えば、彼勝ちて折(そこな)う(彼に損傷あり)。世が応を克して敗に逢えば、我勝ちて虧く(我にも虧損あり)。応が世を生すれば人伏し(相手が負けを認める)、世が応を生すれば己降る(我方が譲歩を示す)。比和なれば両釋(りょうしゃく)して、各々相伤(きずつ)けず。出師も一理なり。
敗とは空・破・散・絶および日月の克制を受くるを謂う。
闘いて訟に渉るか:鬼爻これを司る。 闘いて獲(と)ること有るか:財爻を以て弁ず。 闘いて以て人を奪う:応の克せられて帰ること難し(相手逃れ難し)。 闘いて以て人を擒にす:用の現れて得可し(用神現れて擒え得べし)。
彼の来たりて闘わんとするを筮る:応空・応破なれば進まず。 何の日か闘うに利すと占う:世が生じ応が克たるるを得て勝つ。
応が五爻に動けば路にして要(うば)い、応が三爻に動けば門にして闘う。 応の動く:初爻は郷党、六爻は郊野、二爻は庭内、四爻は戸外と為す。
動きて坎なれば沢畔にして闘い 🌊、离、市井にして闘い 🔥、乾兌は寺院、坤艮は山野 ⛰、震巽は林木の下。
玄武は暗に刺(そし)り、朱雀は明に諍い、青龍は笑刀の謀り、白虎は怒戈(いかれるほこ)の取る、勾陳はその怨みを結び、螣蛇はその党を連ぬ。
子孫は少助あり、父母は老随(おいつき)あり、兄弟は群隊を以てし、妻財は婦女を以てし、官鬼は法術の詐(いつわり)を以てす。
兵は、已むを得ずして用う、況や郷隣の闘いにおいておや。筮う者は慎め。
人の心の中に窒塞あり、忿(いかり)に因りて訟う。訟えば則ち命を上に受く。故に官爻の生克を以て勝負と為し、世応の強弱を以て曲直を分かたず。
官の世を来生(きたらしめ生ず)すれば、我が冤を雪ぎ易し。鬼の世を来克すれば、我が屈を伸(の)べ難し。生ぜず克せざれば、辱めも無く栄えも無し。
我が自ら興訟(訴訟を起こす)を主とす:官の旺相を喜び、破空に値するを忌む。彼の我を訟うるには、鬼の破空を好み、旺相に居るを悪む。また生克を以て参ず。
先に発する者(先に提訴する者)は、官の世に在るを憂えず、官の応に在るを喜ぶ。後に発する者(受け身で応訴する者)は、官の応に在るを喜ばず、官の世に在るを憂う。相生は特に吉、相克は愈々凶。これ世応の弁別生克なり。
官鬼が応を生すれば、彼れ理を得る。官鬼が応を克すれば、彼れ利を失う。官鬼空散なれば、訟は成らず。官鬼破絶なれば、詞は終わらず。官が世応を生すれば、両宥(りょうゆう)の寬あり。官が世応を克すれば、両敗の辱めあり。
鬼が三伝(年・月・日)に位すれば、事は台憲(上級の官衙)に干(かか)わる。官が二間(間爻)に興れば、情は牽連に属す。
官が長生に遇えば経年の訟、帝旺は乃ち獄を折(さだ)むるの期なり。動鬼が鬼に変ずれば権案三たび更わる(何度も審理される)。上官が下官なれば衙門一(いつ)にあらず。
官が世応に動けば忿志未だ休まず、鬼が主賓に伏すれば訟根息まず。進神に化する者は下より上に、小より大に。退神に化する者は急より緩に、重より軽に。
大壮は理を得るの卦、明夷は禁制の卦、坎は獄象——生克を問わず、訟を占うの忌みなり。
六冲は曰く戦闘、官の空を得て冰釋す。六合は曰く処和、官の旺を見て株牽(かかりあい)す。
随官入墓は囹囲・桎梏の刑、助鬼傷身は罪罰・鞭笞の辱め。この二者と官鬼の世を克するは、凡そ公門の役に干するところの者は皆忌む。
骨肉の忿争、主僕の構逆は、六親の誼すでに絶ゆ。故に応に従いて親に従わず。然れども既に官に訟う。また先ず官を論じ、後ろに応を論ず。
子孫は解釈の神、その世に持するを喜ぶ——則ち刑罰何ぞ加わらん、羅網自ら脱す。子孫が交重に当たれば、罪罰蠲除(けんじょ)す。子孫が日月に当たれば、冤情昭雪す。孰かその吉に比せん。
父母は詞状・関提の用:壊るべからず、壊(おとろ)えば官従わず。重ぬべからず、重ぬれば詞一ならず。破るべからず、破るれば始めなし。空むべからず、空なれば終わりなし。我の挙げるは動くに宜しく、彼の挙げるは静なるに宜し。
妻財は賄賂の神、その世に持するを喜ぶ——則ち情は理を奪いて勝に居る。ただ財の動くは行賄の費えあり。
兄弟は党証・干連の象:独発なれば多く費え、間発なれば多く人あり。世に持すれば衆に干かり、応に動けば謀を鼓し、世を克すれば私撃の虞あり、傍らに揺るれば公挙の論あり。兄弟は一も訟に益なし。
独り官鬼のみ獄訟の用神と為り、是非曲直・与奪勝負を総司す。小大の獄、皆生なれば吉にして克なれば凶、忽(ゆるがせ)にすべからず。
六神は官鬼の生克に因りて喜怒を別つ:
世応は彼己の情を察す、また置きて論ぜざるべからず:
何の日に獄を断ず:日月の官(官鬼が日月に臨む時)に当つべし。 何の時に訟を終う:墓絶の鬼(官鬼が墓絶に入る時)に当つべし。 勝を別つは何の日か:世が生じ応が克たるるを以て良しとなす。 釈免は何の時か:子孫の填值を以て宥(ゆる)しと為す。
興詞の勝負吉凶を問うも、また官に属す。興詞の准行(許可)は、官動実を喜び破空を悪む。官が世を克すれば控告の門なし。父爻の空破は、批評行く意を失う。
訟来たりて侵さんことを憂うは、防戒に同じく占う:ただ官の作さざるを憚り、および世を克せず、随助に遇わずんば、何の患いか相加えん。縦え応が世を克すとも、謀ありとも已む。
訟師の美悪を詻うには、父母に詢(とう)う:日月旺相なれば、善く生死の文を移す。発動して生扶なれば、能く是・非の筆を転ず。もし破空に値せば、安んぞ勝ちを取らん。随助・官克なれば、乃ち自ら戕(そこな)う。
干証・保歇・趨使・抱告は、皆応爻を用と為す:世を克するを忌み、破絶なれば忠ならず、空散なれば力あらず、六冲は叛背の心を生じ、随助官傷は逆に我が害と為る。
招詳(呈報の公文)允(ゆる)るさるるや:官病なれば允さず、官動なれば納れず、六冲は上下信ぜず。 招詳能く駁さるるや:官が世を克すれば駁に従わず。破絶なれば已(や)み、空散なれば消ゆ。ただ官動実なれば則ち駁す。
停詞(訴訟中止)、遢訟(訴訟引き延ばし):官の無きを喜び、官の有るを悪む。鬼発すれば則ち停・遢すべからず、鬼克すれば則ち住回すべからず。ただ子動・鬼静なれば、無事の福を受く。
鼠牙の復挙(旧案の再提起)は、ただ助鬼傷身に縁る。株蔓の重牽は、端的(まさ)に随官入墓を悪む。戒めざるべからざるなり。
請巻(巻宗の閲覧請求):文書(父母)を用と為す。破絶なれば請を允さず、空散なれば提に従わず。制爻が世を克すれば、提・請ともに違(たが)う。
夤縁・嘱託(コネをたよって口添えを頼む)は、意は听从に在り:六冲なればその意を逆(そむ)きてあるいは嗔(いかり)を見る。官克なればその耳に逆いてあるいは欲(よく)あり。もし空ならば破ならば力なく功なし。旺の如く生の如くなれば情あり意あり。私人に託す:応は壊るべからず、六冲なるべからず。世を克すれば損ありて成なし。
禁・責を憂う:官が旺動して世を克すれば免れ難きを為す。 離獄・息訟:皆官爻の世を克するを忌む。息訟は官動くべからず、離獄は官無きべからず。六親の離獄を求むれば、則ち兼ねて用の傷なきを用う。
遠く人犯を関(かか)わらしむる:事は官に系り、また捕逃の法を兼ぬ。 訟を伸べて婚を奪う:亦官に系り、奪婚を防ぐを兼ぬ。 訟を以て財を取る:官の力を仗(たよ)り、逋を索むるを兼ぬ。 力綿(ちからつき)て役を扳(ひ)く:官の力を仗り、彼の助を用うるを兼ぬ。 招雪して名を復す:官の力を仗り、我の得るを用うるを兼ぬ。
大罪死せず、用神の旺相に在り。大害絶えず、主象の生扶に在り。もし険を行き人を陷るるは、鬼神の怒る所、鬼静・爻安なりと雖も、当に直ちにその凶を告ぐべし。
居官の事に縁る:官を占うと訟を占うと二つに分かつ。宦に在りて議を憂う:部覆・部議は一理なり。里甲に訴えを伸ぶ:私評は応を用い、渉訟は官を用う。
およそ訟内の用爻は、官鬼を離れず。官鬼の取舍は、則ち事に因りてこれを求む:
我が力を求むるには、則ち無きべからず。我が難を憂うるには、則ち有るべからず。事事その己を傷つくるを悪み、一一その世を生ずるを好む。象を以て事を形(あらわ)し、事を以て義に配すれば、吉凶得るなり。
然れども健訟は家を破る、長くすべからず。『易』に曰く「永く事(こと)を為さず」と、聖人の戒め深し。
失物の占いは、各々用象を以て分かつ:
| 失物 | 用爻 |
|---|---|
| 貨物・銭財 | 妻財 |
| 禽獣 | 子孫 |
| 舟車・衣服 | 父母 |
| 儀像(神像器物) | 官鬼 |
盗人を筮るならば、鬼象を察す:伏鬼は隠賊(ひそかに盗む)、動鬼は明賊(公然と奪う)。陽爻は男、陰爻は女。内卦は内賊、外卦は外賊。暗動は暗人が明に出す。旺多きは衰少なし、完巧・缺拙。内外の鬼にして連結し、世応の鬼にして交通す。
五行の属を以てその情形を度(はか)る:
八宮の鬼を以てその方隅を別つ:何宮に動くかによって何の方より来たる。鬼爻の安静なれば水鬼は北、火鬼は南。両鬼は外卦を論じ、伏鬼は飛神の方に論ず。鬼の生ずる方は則ち窩贓(隠し場所)の処、財の伏する所は是れ蔵物の処なり。
六神の司を以てその状貌を別つ:
| 六神 | 盗者の状貌 |
|---|---|
| 青龍 | 年若く俊美 |
| 白虎 | 狂躁・勇猛 |
| 朱雀 | 巧言・善弁の人 |
| 玄武 | 心積もりある賊 |
| 勾陳 | 貌は敦厚、実は不良 |
| 螣蛇 | 虚浮・実なく、踪跡測り難し |
何時露顕す(明らかに):鬼爻の敗絶の期。 何の日に見獲(つかまえる):財爻の生旺の辰。
物の匿(かく)るる所:その方を審(つまび)らかにす。用伏なれば飛爻の方(もと)を察し、用飛なれば本宮の方(もと)を察し、用悔(変爻)なれば動爻の方(もと)を察し、用二現なれば主爻(世爻・卦身・世身・内卦を主とす)を察す。
その所を分かつ(六爻の方位):
| 爻位 | 蔵物の処 |
|---|---|
| 初爻 | 地裡と井の中 |
| 上爻 | 墳墓と野の外 |
| 二爻 | 竈(かまど)の辺 |
| 三爻 | 房の中 |
| 四爻 | 門の辺 |
| 五爻 | 道の中 |
| 応爻 | 閨閣の中 |
| 世爻 | 身の近き器 |
| 内卦 | 内の処 |
| 外卦 | 外の処 |
父に化し父に変じ、および飛ぶが父なる者は、箧櫃に当りて覓むべし。財なる者は、貨物に当りて覓むべし。兄なる者は、牆垣に当りて覓むべし。鬼なる者は、香火に当りて覓むべし。子なる者は、廊・廂・庵・寺の所に当りて覓むべし。
是れ彼の盗みしと:応が世を克せば則ち是れ盗み。 是れ我の遺(わす)れしと:世が衰敗を 受くれば自ら遺つるなり。
贓を起(とりあ)げ賊を擒(とら)う:子旺なれば制あり(子孫旺相なれば鬼を克す能わずと雖も)、鬼動は凶と為す。助傷・官克・随墓なれば、則ち賊横にして反噬(かみつきかえす)。
官に訟えて物を索む:務めて其の鬼を用う。官が世を生すれば理直し。官病・財空・官が世を克すれば、則ち徒労して自ら辱しむ。
『易』に曰く「慢藏は盗を誨(おし)う」と。撃柝(げきたく)して嚴にす(夜ごとに梆を撃ちて警戒する)、君子は先事にして慎むに貴(とうと)ぶ。