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全 27 章中 12 章
金匮要略
全体意訳
本篇は専ら腹満、寒疝、宿食の三类の病証における脈象の表現と治法・方薬を論じている。
趺陽脈(足背動脈、脾胃の気を候う)を診て微弦の象が見えたなら、理に照らせば腹満があるべきである。もし腹が脹満しなければ、必ず大便難、両脇下の疼痛が見られる。これは虚寒が下より上に逆上するためであり、温薬を用いて治療すべきである。患者が腹満し、按じて痛まないのは虚証に属し、按じて痛むのは実証に属す。実証には瀉下法を用いることができる。舌苔が黄色で未だ瀉下していない者は、瀉下すれば黄苔は自然に退く。
腹満が時により軽くなり、軽減した後また元の様に戻るのは、寒証に属し、温薬を用いるべきである。
患者の面色が萎黄し、煩躁するが渇せず、胸中に寒実があって下利が止まらない者は、予後は凶である。
寸口脈(手首の撓骨動脈)が弦であれば、脇下が拘急して疼痛し、悪寒・怕冷を伴う。
素体中寒(脾胃虚寒)の人は、しばしば欠伸をし、清涕が出る。もし発熱して面色が正常な者は、くしゃみが出やすい——これは正気がなお邪気に抗することができる表現である。
中寒の人が下利するのは、裏虚によるものである。くしゃみを出そうとして出せないのは、腹中の寒邪が深いことを示す。
痩せた人が臍周囲に疼痛を生じるのは、必ず風冷(風寒の邪)の侵襲があり、穀気が運ばれないためである。この時、誤って瀉下を用いれば、正気は必ず上衝して脹を成す。上衝しない者は、心下に痞(脹満閉塞感)が成る。
病が腹満し、熱が出て十日、脈は浮にして数、飲食がなお可能な者は、厚朴七物湯をもって主治する。
厚朴七物湯方:厚朴半斤、甘草三两、大黄三两、大棗十枚、枳実五枚、桂枝二両、生姜五両。水一斗で煮て四升を取る。温服して八合、一日三回。呕する者は半夏五合を加える。下利する者は大黄を去る。寒が多い者は生姜を半斤に増やす。
腹中の寒気により、腸鳴が雷の如く、劇痛し、胸脇が逆満し、嘔吐する者は、附子粳米湯をもって主治する。
附子粳米湯方:附子一枚(炮)、半夏半升、甘草一両、大棗十枚、粳米半升。水八升で米が熟し湯が成るまで煮て、渣を去り、温服して一升、一日三回。
腹満して疼痛し、大便が閉結する者は、厚朴三物湯をもって主治する。
厚朴三物湯方:厚朴八両、大黄四両、枳実五枚。水一斗二升で、先ず厚朴・枳実を煮て五升を取り、再び大黄を入れて、煮て三升を取り、温服して一升、大便が通利するを以って度とする。
心下を按じて満痛する者は、実証に属し、瀉下法を用いるべきで、大柴胡湯が適宜である。
大柴胡湯方:柴胡半斤、黄芩三両、芍薬三両、半夏半升(洗)、枳実四枚(炙)、大黄二両、大棗十二枚、生姜五両。水一斗二升で煮て六升を取り、渣を去り再び煎じ、温服して一升、一日三回。
腹満が持続して減らず、或いは減り方が極めて僅かで足りない者は、必ず瀉下すべきで、大承気湯が適宜である。
大承気湯方:大黄四両(酒洗)、厚朴半斤(皮を去り、炙る)、枳実五枚(炙)、芒硝三合。水一斗で、先ず厚朴・枳実を煮て五升を取り渣を去り、大黄を入れて煮て二升を取り、芒硝を入れ、微火で再び沸かせ、二回に分けて温服し、瀉下したならば服薬を止める。
心胸中に大寒があり劇痛し、嘔吐して飲食することができず、腹中の寒気が上衝し、腹壁が隆起して頭足の状の如くになり、上下に攻めて痛み触れること不可な者は、大建中湯をもって主治する。
大建中湯方:蜀椒二合(汗を去る)、乾姜四両、人参二両。水四升で煮て二升を取り、渣を去り、膠飴一升を入れ、微火で煎じて一升半を取り、二回に分けて温服する。凡そ一食の時間の後、粥二升を飲むことができ、再び薬を服する。その日は稀粥を食すべく、温かく覆い保温する。
脇下の一方が偏に痛み、発熱し、脈が緊弦なるは、寒証に属し、温薬に瀉下を配合すべきで、大黄附子湯が適宜である。
大黄附子湯方:大黄三両、附子三枚(炮)、細辛二両。水五升で煮て二升を取り、三回に分けて温服する。体壮の者は二升半を煮取し、三回に分けて服し、服後、人が四五里行くほどの時間を置いて、再び一服する。
寒気が上逆して四肢が厥冷する者は、赤丸をもって主治する。
赤丸方:茯苓四両、烏頭二両(炮)、半夏四両(洗)(一方は桂を用いる)、細辛一両(『千金』は人参に作る)。共に細末とし、朱砂を加えて色を付け、蜜を煉りて丸と為し麻子の大きさの如くする。先ず食前に酒で三丸を送服し、一日二回・夜一回。効が無ければ少し量を増やし、効が見えるを以って度とする。
腹痛し、脈が弦にして緊なる:弦は衛気(体表を行く陽気)の行かざるを主り悪寒し、緊は寒凝して飲食を欲さざるを主る。正邪相争えば、即ち寒疝が発する。
寒疝が臍を繞って痛み、発作時に冷汗が出て、手足が厥冷し、脈が沈弦なる者は、大烏頭煎をもって主治する。
大烏頭煎方:大烏頭五枚(熬じて皮を去り、切砕せず)。水三升で煮て一升を取り、渣を去り、蜜二升を入れ、煎じて水気を尽くし、二升を取る。体壮の者は七合を服し、体弱の者は五合を服す。癒えざる者は明日再び服す。一日に二度服することは不可である。
寒疝で腹中が痛み、及び脇痛し腹中が拘急する者は、当帰生姜羊肉湯をもって主治する。
当帰生姜羊肉湯方:当帰三両、生姜五両、羊肉一斤。水八升で煮て三升を取り、温服して七合、一日三回。寒が多い者は生姜を一斤に増やす。痛みが多く呕する者は、橘皮二両、白朮一両を加える。
寒疝で腹中が痛み、四肢が逆冷し、手足が麻痺して不仁となり、身の疼痛を兼ね、灸刺諸薬もって治す能わざる者は、抵当烏頭桂枝湯をもって主治する。
烏頭桂枝湯方:烏頭一味、蜜二斤をもって煎じて半分に減じ、渣を去り、桂枝湯五合をもって調和し、薬液一升を得る。初め二合を服し、効が無ければ即ち三合を服し、更に効が無ければ五合に増やす。効が見える者は酔ったるが如き状になり、嘔吐を得る者は、薬既に病に中れりと為す。
桂枝湯方:桂枝三両(皮を去る)、芍薬三両、甘草二両(炙)、生姜三両、大棗十二枚。水七升で微火煮て三升を取り、渣を去る。
脈が数にして緊なるは即ち弦と為し、状は弓弦の如く、按じて硬くして動かず。脈が数にして弦なる者は、当にその寒を温下すべし。脈が緊大にして遅なる者は、必ず心下が堅硬となる。脈が大にして緊なる者は、陽中に陰有りと為し、下す可し。
附方:
《外台》烏頭湯:寒疝の腹中絞痛、賊風の五臓に入り攻するを治し、拘急して転側すること能わず、発作時に時あり、人をして陰縮、手足厥逆せしむ(方は前に見ゆ)。
《外台》柴胡桂枝湯方:心腹の突然の疼痛を治す。
柴胡四両、黄芩、人参、芍薬、桂枝、生姜 各一両半、甘草一両、半夏二合半、大棗六枚。水六升で煮て三升を取り、温服して一升、一日三回。
《外台》走馬湯:中悪、心痛腹胀、大便不通を治す。
杏仁二枚、巴豆二枚(皮心を去り、熬る)。共に綿に裹み搗砕し、熱湯二合で、搾って白汁を取りこれを飲めば、即ち瀉下する。老幼は減ずるを酌み、飛尸鬼撃の病を普く治す。
或る人が問う:「患者に宿食があるのは、如何にして弁別するか」と。師が答う:「寸口脈が浮にして大、按ずると却って渋、尺脈も亦微にして渋、故に宿食有りと知る。大承気湯をもって主治する」。
脈が数にして滑なる者は実に属す。此れ宿食有り。瀉下すれば即ち癒ゆ。大承気湯が適宜である。
下利して飲食を欲さざる者は、宿食有り。当に瀉下すべし。大承気湯が適宜である。
大承気湯方(前に痙病の中に見ゆ)
宿食が上脘(胃の上部)に在る者は、当に吐法を用いるべきで、瓜蒂散が適宜である。
瓜蒂散方:瓜蒂一分(熬じて黄とする)、赤小豆一分(煮る)。共に搗きて散と為し、香豉七合を煮て汁を取り、散一銭匕を和し、温服す。吐かざる者は少し量を増やし、快暢に吐出するを以って度として即ち止む。(亡血及び体虚の者は用いる可からず。)
脈が緊にして索を転がすが如く常なき者は、宿食有り。
脈緊、頭痛風寒、腹中に宿食の化せざる有り。
本内容は中医の古典古籍に基づき、伝統文化の学習と研究のみを目的としており、いかなる医療診断、用药、または治療アドバイスを構成するものではない。体調不良の際は速やかに医療機関を受診されたい。