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全 27 章中 17 章
金匮要略
全体意訳
この篇では専ら黄疸(身黄・目黄・小便黄を主症とする一類の病証)について論じる。原文には論二首、脈証十四条、方七首が含まれる。以下、原文の順序に従って意訳する。
寸口脈(手首後方の撓骨動脈の拍動部)が浮にして緩:浮は風を主り、緩は痺を主る。ここの「痺」は中風病ではなく、四肢の煩熱不适を指す。脾は土に属し、色は黄、濕熱の瘀積が脾気に従って運行され、ここにおいて発黄する。
趺陽脈(足背動脈の拍動部。古人はこれを用いて脾胃を候う)が緊にして数:数は熱を主り、熱は穀を消す能くす。緊は寒を主り、寒は食後に脹満す。尺脈の浮は腎を傷ることを示し、趺陽脈の緊は脾を傷ることを示す。風寒の邪気が相搏ち、食後に頭暈が生じ、水穀が化せず、胃中の濁気が内に停まり、濁気が下流して小便を通ぜず。下焦に寒があり、熱邪が膀胱に流れ、全身が発黄する。これを穀疸(飲食の積滞、脾胃の失調によって生じた黄疸)と称す。
額髪が黒く、微かに汗が出て、手足の心に熱が発し、夕方に加重し、膀胱が拘急し、小便が自利する。これを女労疸(古代では房労により腎を傷ることで関係する黄疸と考えられた)と称す。もし腹部が水腫の様に脹大すれば、予後は比較的悪い。
心中に煩乱灼熱があり、食べ物を摂ることができず、しばしば吐き気がする。これを酒疸(飲酒の過度により生じた黄疸)と称す。
陽明病で脈が遅い者は、飽食してはならない。飽食すると即ち心中煩悩、頭眩が生じ、小便が困難となる。これは將に穀疸を形成せんとする兆候である。たとえ下法を用いても、腹満はなお消退しない。その理由は、脈遅が寒虚を主るからである。
酒黄疸を患う者は、必ず小便不利であり、その表現は心中熱、足下熱である。ある種の酒黄疸は発熱せず、ただ小腹脹満、吐き気、鼻乾のみである。脈浮の者は先に吐法を用いる可く、脈沈弦の者は先に下法を用いる可し。
酒疸で心中熱、嘔吐を欲する者は、吐法を用いれば癒える。酒疸で誤って下法を用いれば、日を経て黒疸(黄疸が長引いて面色青黒となるもの)に変わる:目青面黒、心中は蒜齏を食したかのように辛く不适であり、大便は正黒色、皮膚は麻痺して不仁、脈は浮弱。黒いが微かに黄を帯びているので、酒疸を誤下したものであると知る。
先生が言うには:黄疸病で発熱、煩喘、胸満、口乾があるのは、発病の時に火法で強く発汗させたためであり、火邪と病熱が相合したものである。しかしながら黄疸は多く濕邪から得る。もし全身発熱して黄、腹部熱があれば、熱が裏にあることを示し、当に下法を用いるべきである。
脈沈で、口渇して水を飲みたいと欲し、小便不利の者は、いずれも発黄する可能性がある。
腹満で、身体萎黄し、乾燥して安眠できない者は、黄疸病に属する。
黄疸病程は十八日を一期とし、治療して十日以上で好转する。もし反って加重すれば、治し難い。
黄疸で口渇がある者は治し難く、口渇がない者は治す可し。病が陰部に発すれば、患者は多く嘔吐する。陽部に発すれば、則ち悪寒戦慄発熱する。
穀疸は寒熱、不能食の表現があり、食後に頭眩、心胸不安が生じ、日を経て発黄する。茵蔯蒿湯を用いて主治する。方は茵蔯蒿、梔子、大黄から成り、煎じて三回に分けて温服する。古籍には服薬後に小便が通利し、尿色が皂角汁の様な深紅色となり、一夜の後に腹満が減じ、黄が小便から去ると記述されている。
黄疸で夕方に発熱し、反って悪寒するのは、女労によるものである。膀胱拘急、少腹胀満、全身発黄、額髪黒変、足下熱があり、ここにおいて黒疸が形成される。腹胀が水腫の様で、大便黒色、しばしば溏泄するのは、これは女労の病であり、水気病ではない。腹満のある者は治し難く、硝石礬石散を用いて主治する。方は硝石、焼いた礬石を等分とし、研散して大麦粥汁で調服する。古籍には病邪が大小便と共に排出され、小便が黄で大便が黒いのが効験とある。
酒黄疸で心中煩乱または熱痛がある者は、梔子大黄湯を用いて主治する。方は梔子、大黄、枳実、豆豉から成り、煎じて三回に分けて温服する。
諸々の黄疸は、一般に小便を利するを法とすべきである。もし脈浮であれば、当に汗法を用いるべきで、桂枝加黄耆湯が適している。
各種の黄病には、猪膏髪煎を用いて主治する。方は豚脂と乱髪を用い、共に煎じ、髪が化した後に分服し、病を小便から排出させる。
黄疸病には、茵蔯五苓散を用いて主治する。方は茵蔯蒿の末と五苓散を合わせ用いる。
黄疸で腹満、小便不利にして色赤、自汗出る者は、表気は已に和し裏熱は実結することを示し、当に下法を用いるべきで、大黄硝石湯が適している。方は大黄、黄柏、硝石、梔子から成る。
黄疸で小便の色が変わらず、泄瀉を欲し、腹満して喘する者は、清熱法を用いてはならない。もし誤って清熱すれば必ず呃逆を生じる。呃逆のある者は小半夏湯を用いて主治する。
各種の黄病で、腹痛して嘔する者は、小柴胡湯が適している。
男子が発黄し、小便が自利するのは、虚労に属し、小建中湯を用いるべきである。
附方:瓜蒂湯は各種の黄病を治す。《千金方》麻黄醇酒湯は黄疸を治し、麻黄と清酒を用いて煮服し、冬は酒を用い、春は水を用いて煮る。
(以上の方剤の組成・用量・服法は全て古籍原文の転述であり、研読のためのみに供し、服薬の指導とはしない。)
本篇は黄疸の「病は濕から得る」という総綱を確立する。仲景は黄疸の核心的な病機は濕邪の侵害にあると考えるが、寒・熱・瘀・虚を夾むことがある。病位は脾胃を重んじ、膀胱・腎・肝膽に及ぶ。寸口脈・趺陽脈・尺脈を総合して臓腑の虚実寒熱を判断する。
治療上は「邪に出路を与える」ことを強調する:濕が下焦にあれば利小便、熱が裏にあれば下し、邪が上にあれば吐き、表が未解ならば汗し、久病の虚黄は補う。この因勢利導の考え方は、《金匱要略》が脈証合参・分割論治を重んじる特徴を体現している。
現代医学における黄疸は主にビリルビン代謝異常と関連し、肝細胞障害、胆道閉塞、溶血などの場合に常見される。本篇が描述する「身黄、小便黄が皂角汁の如し、大便正黒、額黒、腹脹が水腫の如し」などの表現は、一部は胆汁うっ滞、肝硬変または消化管出血の臨床現象に近く、古人の観察が非常に緻密であったことを示している。
しかし、古病名は直接に現代病名と等価ではない。例えば「女労疸」が必ずしも全て房労によって引き起こされるわけではなく、「黒疸」も必ずしも誤下のみに由来するわけではない。茵蔯蒿、梔子、大黄などの方薬は、現代研究により実際に利胆、保肝、抗炎などの作用が確認されているが、なお現代の診療体系の下で評価すべきであり、原文に従って自己投薬すべきではない。「十八日を期とする」などの病程判断も、古代の経験的観察として理解すべきで、絶対的な予後基準ではない。
卜瓜注意:本内容は中医古典古籍に基づくものであり、伝統文化の学習と研読のためにのみ提供され、いかなる医療診断、服薬または治療の助言を構成するものではない。不調があれば速やかに医療機関を受診すること。