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全 33 章中 11 章
神农本草经
本篇は『神農本草経』の果(上品)であり、収載されているのは五種である:藕実茎、大棗、葡萄、蓬蔂、鶏頭実。篇末の原文に「上品五種、旧六種、今橘柚を以て木に入る」とあるように、もともとは六種あったが、後に橘柚が木部に移されたため、現在は五種となっている。古人はこれらの食用可能な果実・根茎を上品に分類し、その性味は甘平または酸平であり、補益・軽身・耐老などの共通点があると考えた。以下、逐条解説する。
原文 味甘平。主補中養神,益気力,除百疾。久服,軽身耐老,不飢延年。一名水芝丹。生池沢。 名医曰:一名蓮,生汝南,八月採。案説文云:藕,夫渠根。蓮,夫渠之実也。茄,夫渠茎。
全体意訳 味は甘く、性は平。古人はこれが主に中焦(脾胃)を補益し、神志を安定させ、気力を増強し、様々な疾患を取り除くと考えた。長期間服用すれば、身体は軽健になり、老化を遅らせ、飢えに耐え、寿命を延ばす。別名を水芝丹という。池沢の中に生える。 名医の注によると、別名を蓮といい、汝南に産し、八月に採る。字書の考証では、「藕」は芙蕖(はす)の根であり、「蓮」は芙蕖の果実、「茄」は芙蕖の茎である。
原文 味甘平。主心腹邪気,安中養脾肋十二経,平胃気,通九竅,補少気,少津液,身中不足,大驚,四肢重,和百薬。久服軽身長年,葉覆麻黄,能令出汗。生平沢。 呉普曰:棗主調中,益脾気,令人好顔色,美志気。名医曰:一名干棗,一名美棗,一名良棗,八月採,曝乾,生河東。
全体意訳 味は甘く、性は平。古人はこれが主に心腹部の邪気を除き、中焦を安定させ、脾胃を補い養い、十二経脈を補助し(※「肋十二経」の「肋」は「助」の古字または誤字と考えられ、十二経脈を補助する意)、胃気を平らにし、九竅(眼、耳、口、鼻及び前後陰)を通じさせ、短気、津液不足、身体内部の虚損を補い、驚きを安定させ、四肢の重だるさを改善し、百薬を調和すると考えた。長期間服用すれば身軽になり寿命が延びる。その葉を麻黄に覆うと、人を発汗させることができる。平沢に生える。 呉普の注によると、棗は中焦を調和し、脾気を益し、人の顔色を良くし、志気を美しくするのが得意である。名医の注によると、別名干棗、美棗、良棗といい、八月に採って乾燥させる。河東に産する。
原文 味甘平。主筋骨湿痺,益気,倍力,強志,令人肥健,耐飢忍風寒。久食軽身,不老延年,可作酒。生山谷。 名医曰:生隴西五原敦煌。 案史記大宛列伝云:大宛左右,以葡萄為酒,漢使取其実来,於是天子始種苜蓿,葡萄,肥饒地。
全体意訳 味は甘く、性は平。古人はこれが主に筋骨の間の湿痺(湿邪による肢体の重だるさや関節の痛み)に対応し、正気を補益し、気力を増強し、神志を強くし、人を豊満で健やかにし、飢えや風寒に耐えさせると考えた。長期間食べると身軽になり、老化を遅らせ、寿命を延ばし、酒を醸造することもできる。山谷に生える。 名医の注によると、隴西、五原、敦煌に産する。文献考証によると、大宛のあたりでは葡萄で酒を醸造しており、漢の使者が果実を持ち帰り、中原でも肥沃な土地に苜蓿や葡萄を植え始めた。
原文 味酸平。主安五臓,益精気,長陰令堅,強志,倍力有子。久服軽身不老。一名覆盆。生平沢。 名医曰:一名陵蔂,一名陰薬,生荊山及冤句。 陶弘景云:蓬蔂是根名,覆盆是実名。
全体意訳 味は酸く、性は平。古人はこれが主に五臓を安らかにし、精気(人体の生命活動の基礎となる物質と機能)を補益し、陰精を成長させ堅実にし、神志を強くし、気力を増強し、生育を助けると考えた。長期間服用すれば身軽になり老けない。別名を覆盆という。平沢に生える。 名医の注によると、別名陵蔂、陰薬といい、荊山と冤句に産する。陶弘景は「蓬蔂」は根の名前、「覆盆」は果実の名前であるとする。
原文 味甘平。主湿痺,腰脊膝痛,補中除暴疾,益精気,強志令耳目聰明。久服,軽身不飢,耐老,神仙。一名雁啄実。生池沢。 名医曰:一名芡,生雷沢,八月採。
全体意訳 味は甘く、性は平。古人はこれが主に湿痺および腰・背・膝の痛みに対応し、中焦を補益し、突発的な病気を取り除き、精気を補益し、神志を強くし、耳や目を聡明にすると考えた。長期間服用すれば身軽になり、飢えに耐え、老化に抵抗し、さらには「神仙」の境地に至るとされる。別名を雁啄実という。池沢に生える。 名医の注によると、別名を芡といい、雷沢に産し、八月に採る。文献では芡を鶏頭、雁頭などとも呼ぶ。
総括:本章の五種の果品は上品に列せられており、古人の「薬食同源」「五果は助と為す」という養生思想を反映している。その「久服軽身不老」「神仙」などの表現は、文化概念・歴史的文脈として理解すべきであり、現代の治療効果の証拠として捉えるべきではない。
——卜瓜 (Bu Gua)
本内容は中医古典古籍に基づくもので、伝統文化の学習と研究のためのみに提供され、いかなる医療診断・投薬・治療のアドバイスを構成するものではありません。ご体調がすぐれない場合は、速やかに医療機関を受診してください。