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全 33 章中 16 章
神农本草经
この篇は『神農本草経』の草部中品であり、合わせて四十九種の草本薬物を収録する。古人は薬物を上・中・下の三品に分けた:中品は「養性を主り、人に応ず」とされ、病あれば調え、病なければ養うことができ、邪気を祓うことと補益することの二重の作用を兼ね備え、多くの薬物は「攻補兼施」(攻めと補いを併用)の性質を持つ。
以下、主な効能に従って原文を逐条的に意訳する。
乾薑(かんきょう) 味は辛く、性は温。主治は胸中の満悶、咳逆上気(咳が込み上げ息が上がる)、中焦を温めて止血し、発汗を促し、風邪を駆逐し、湿痺(湿邪による関節・肢体の痺痛)・痢疾(腸澼)・下痢を治す。**生薑(しょうきょう)**はその効果がより良い。長く服すれば口臭・体臭を取り除き、神志を清明にする。山川の河谷地帯に生える。
当帰(とうき) 味は甘く、性は温。主治は咳逆上気、温瘧(発熱を主とする瘧疾)、悪寒と発熱の交互、および皮膚に虫が這うような感覚(洗在皮膚中)。婦人の崩漏(漏下)、不妊、諸々の悪瘡・外傷(金創)を治す。煎じてから飲むのが良い。別名を干帰という。
麻黄(まおう) 味は苦く、性は温。主治は中风・傷寒による頭痛、温瘧。発汗解表し、邪熱の気を駆逐し、咳逆上気を鎮め、寒熱の往来を取り除き、癥瘕積聚(腹内の結塊)を破除する。別名を竜沙という。
白芷(びゃくし) 味は辛く、性は温。主治は婦人の白帯・赤帯(漏下赤白)、経閉(血閉)、陰部の腫痛、悪寒発熱、頭風頭痛、目痒・流涙。肌膚を滋潤し、面脂(古代のスキンケア用品)を作ることができる。別名を芳香という。
仮蘇(荊芥) 味は辛く、性は温。主治は悪寒発熱、鼠瘻(頸部リンパ結核の潰瘍化)、瘰癧(頸部リンパ節の腫れ)による瘡を生ずるもの、結聚の気を破り、瘀血を降ろし、湿痺を除く。別名を鼠蓂という。
黄芩(おうごん) 味は苦く、性は平。主治は各種の熱証、黄疸、痢疾下痢、水を逐い腫れを消し、経閉を通じ、悪瘡・蝕瘡・火瘍(火熱による瘡瘍)を治す。別名を腐腸という。
苦参(くじん) 味は苦く、性は寒。主治は心腹の結気、癥瘕積聚(腹内の腫塊)、黄疸、小便の滴瀝として尽きないもの。水を逐い腫れを消し、癰腫を消し、中を補い、目を明らかにして涙を止める。別名を水槐という。
白簾(はくれん)(白鮮) 味は苦く、性は寒。主治は頭風、黄疸、咳逆上気、小便淋瀝、女子の陰中の腫痛、湿痺による肌肉の麻痺不仁(死肌)、関節の屈伸不利、歩行困難。
敗醤(はいしょう) 味は苦く、性は平。主治は暴熱による瘡瘍(火創)、皮膚の赤疹、疥瘡のかゆみ、黄疸、痔瘡、馬鞍瘡、および熱邪による諸症状。別名を鹿腸という。陶弘景はその臭気が醤油の腐ったようなものであることから名付けられたとする。
紫草(しそう) 味は苦く、性は寒。主治は心腹の邪気、五疸(各種黄疸)。中を補い気を益し、九竅を通じ、水道を通調する。別名を紫丹という。
皚雪草(がくせつそう)(積雪草) 味は苦く、性は寒。主治は大熱、悪瘡・癰疽、浸淫瘡、皮膚の赤く灼熱するもの、身熱。
白薇(びゃくび) 味は苦く、性は平。主治は突然の中風、身熱肢満、昏不知人(忽忽不知人)、癲狂惑乱、邪気、寒熱酸痛、温瘧の定時発作。
蜀羊泉(しょくようせん) 味は苦く、性は微寒。主治は頭禿、悪瘡、熱邪による疥瘡のかゆみ、痂癬・虫疾。虫歯を治すことができる。
爵床(しゃくしょう) 味は鹹く、性は寒。主治は腰脊の疼痛、痛くて床に伏することもできず、俯仰が困難なもの。熱を清め、煮た湯で洗浴することができる。
知母(ちも) 味は苦く、性は寒。主治は消渴(多飲多尿)、熱邪の内盛(熱中)。邪気を除き、肢体の浮腫を治し、水を下して腫れを消し、不足を補い、気を益する。別名を蜘母という。
元参(げんじん)(玄参) 味は苦く、性は微寒。主治は腹中の寒熱積聚、女子の産後の余疾。腎気を補い、目を明らかにする。別名を重台という。
括楼根(かつろうこん)(天花粉) 味は苦く、性は寒。主治は消渴、身熱、煩躁満悶、大熱。虚を補い中を安じ、筋をつなぎ骨を接ぐ(続絶傷)。別名を地楼という。
芍薬(しゃくやく) 味は苦く、性は平。主治は邪気による腹痛、血痺(血行不暢)を破り、堅積・寒熱・疝瘕を消散させ、止痛し、小便を通利し、気を益する。
紫参(ししん) 味は苦く辛く、性は寒。主治は心腹の積聚、寒熱邪気。九竅を通じ、大小便を通利する。別名を牡蒙という。
沢蘭(たくらん) 味は苦く、性は微温。主治は婦人の産後の内傷(乳婦内)、中風後遺症、腹水・浮腫、全身及び四肢の浮腫、関節の水腫、金創・癰腫・瘡膿。別名を虎蘭という。
王瓜(おうか) 味は苦く、性は寒。主治は消渴、内痺、瘀血、経閉(月閉)、寒熱、酸痛。気を益し、耳聾(俞聾)を治す。別名を土瓜という。
地楡(ちゆ) 味は苦く、性は微寒。主治は婦人の乳癰疼痛(乳痓痛)、七傷、帯下病。止痛し、悪肉を除き、発汗を止め、金創を治す。
紫菀(しえん) 味は苦く、性は温。主治は咳逆上気、胸中の寒熱結気。蟄毒を取り除き、痿躄(肢体の痿軟無力)を治し、五臓を安んずる。
馬先蒿(ばせんこう) 味は平。主治は寒熱、鬼注(古人が一部の難病に対して用いた認識)、中風、湿痺、女子の帯下病・不妊。別名を馬尿蒿という。
秦艽(しんこう) 味は苦く、性は平。主治は寒熱邪気、寒湿、風痺、関節疼痛。水を通利し腫れを消し、小便を通利する。
狗脊(くせき) 味は苦く、性は平。主治は腰背の僵硬強直、筋脈の拘急(緩急)、周痺(全身を遊走する痺痛)、寒湿、膝痛。高齢者に特に有益である。別名を百枝という。
石竜芮(せきりょうぜい) 味は苦く、性は平。主治は風寒湿痺、心腹邪気。関節を通利し、煩満を止める。長く服すれば身を軽くし目を明らかにし、衰老を遅らせる。
防己(ぼうこ) 味は辛く、性は平。主治は風寒、温瘧、熱邪による各種の癰腫。邪気を除き、大小便を通利する。別名を解離という。
萆薢(ひかい) 味は苦く、性は平。主治は腰背疼痛。骨節を強健にし、風寒湿邪を取り除き、周痺・悪瘡の癒えないもの・熱邪を治す。
王孫(おうそん) 味は苦く、性は平。主治は五臓の邪気、寒湿痺、四肢の酸痛、膝の冷痛。
通草(つうそう) 味は辛く、性は平。主治は体内の悪虫を駆除し、脾胃の寒熱を取り除き、九竅・血脈・関節を通利し、記憶力を増強する。別名を附支という。
瞿麦(くばく) 味は苦く、性は寒。主治は関格(小便不通と嘔吐を併発するもの)、諸々の癃閉(小便不利)、小便不通。刺を出し(異物を排出し)、癰腫を消し、目を明らかにして翳を取り除き、血を破り月経を通じ、死胎を下す。別名を巨句麦という。
石韋(せきい) 味は苦く、性は平。主治は労熱邪気、五癃(各種の小便不利)、小便不通。水道を通利する。
海藻(かいそう) 味は苦く、性は寒。主治は瘻瘤(甲状腺腫)、頸下の結節。硬結を軟らかくして散じ、癰腫・癥瘕・堅気を治し、腹中の上下の鳴響を取り除き、水腫を消す。別名を落首という。
水萍(すいひょう)(浮萍) 味は辛く、性は寒。主治は暴熱による身のかゆみ。水を通利し腫れを消し、酒を解し、須髪を生じ、消渴を治す。長く服すれば身が軽くなる。別名を水華という。
茅根(ぼうこん)(白茅根) 味は甘く、性は寒。主治は労傷による虚羸。中を補い気を益し、瘀血を取り除き、経閉を通じ、寒熱を退け、小便を通利する。その苗は水を通利し腫れを消すことができる。別名を蘭根という。
蠡実(れいじつ)(馬藺子) 味は甘く、性は平。主治は皮膚の寒熱、胃中の熱気、寒湿痺。筋骨を強くし、食欲を増進する。長く服すれば身が軽くなる。花と葉は寸白虫(腸道寄生虫)を駆除することができる。別名を劇草という。
款冬花(かんとうか) 味は辛く、性は温。主治は咳逆上気、喘息、喉痺(咽喉の腫痛)、各種の驚癇、寒熱邪気。別名を橐吾という。
貝母(ばいも) 味は辛く、性は平。主治は傷寒煩熱、小便淋瀝、疝瘕、喉痺、産後の乳汁の出ないもの(乳難)、金創、風痙(破傷風様の痙攣)。別名を空草という。
百合(ひゃくごう) 味は甘く、性は平。主治は邪気による腹部膨満、心痛。大小便を通利し、中を補い気を益する。
淫羊霍(いんようかく) 味は辛く、性は寒。主治は陽痿(陰痿)、筋傷の絶えんとするもの(絶傷)、茎中の疼痛。小便を通利し、気力を益し、志を強くする。別名を剛前という。
枲耳実(しじつ)(蒼耳子) 味は甘く、性は温。主治は頭風頭痛、寒痛、風湿、周痺、四肢の拘攣・疼痛。悪肉・死肌を取り除く。長く服すれば気を益し、耳聡く目明らかになり、志を強くし身を軽くする。別名を胡枲という。
葛根(かっこん) 味は甘く、性は平。主治は消渴、身の大熱、嘔吐、各種の痺証。陽気を発し起こし(起陰気)、諸々の毒を解く。葛穀(葛の種子)は久痢(十年以上のもの)を治す。別名を鶏斉根という。
藁本(こうほん) 味は辛く、性は温。主治は婦人の疝瘕、陰中の寒痛、腹中の拘急。風による頭痛を取り除き、肌膚を潤沢にし、面色を改善する。別名を鬼卿という。
牡丹(ぼたん) 味は苦く辛く、性は寒。主治は寒熱、中風、瘛疭(ひきつけ)、痙病、驚癇、邪気。癥堅・胃腸中の瘀血を取り除き、五臓を安んじ、癰瘡を治す。別名を鹿韭という。
酸醤(さんしょう) 味は酸く、性は平。主治は煩熱満悶。情志を安定させ、気を益し、水道を通利する。妊婦の難産の際にその果実を嚥下すれば、産を助けることができる。別名を酢醤という。
女菀(じょえん) 味は辛く、性は温。主治は風邪による悪寒(洗洗)、霍乱、泄利、腸鳴の上下定まらないもの、驚癇、寒熱百疾。
翹根(ぎょうこん) 味は甘く、性は寒(あるいは苦平という)。主治は熱気を降ろし、陰精を益し、面色を美しくし、目を明らかにする。長く服すれば身を軽くし、老衰に耐える。
この篇に収録された「草中品」は『神農本草経』の**「中品は性を養う」**という核心的定位を示しており、その学術思想は以下のような側面に帰納することができる。
一、攻補兼施、調和を要とする 上品が「命を養う」ことに重きを置くのに対し、中品の薬物は多くが邪気を祛ることと正気を扶けることの二重の効能を兼ね備える。例えば当帰は「咳逆上気」を治し(祛邪)、かつ「婦人漏下絶子」を治す(補益)。芍薬は「堅積を破る」と同時に「気を益す」。知母は「邪気を除く」と同時に「不足を補い気を益す」。これは古人の「平を以て期となす」という治療思想を体現している——人体の健康の鍵は陰陽気血の平衡にあり、単なる滋補や攻伐にあるのではない。
二、証に応じて薬を用い、勢いに乗じて導く 中品薬の機能描写は古人の素朴な弁証的思考を示している。同じ清熱薬であっても、黄芩は上焦および肝胆の湿熱(黄疸・熱泄)を清めることに偏り、苦参は下焦の湿熱(溺有余瀝)を清めることに偏り、白簾は風を祛り痒みを止めることを兼ねる。これは古人がすでに病位が異なり、病勢が異なれば、用药の選択にも区別があることを認識していたことを示す。
三、「通利」の思想が終始貫かれる 中品薬には「通利」「逐水」「破結」「下気」といった表現が数多く見られる。例えば通草は「九竅・血脈・関節を通利し」、瞿麦は「関格諸癃結を主り」、海藻は「結気を破散する」。これは古人の疾病に対する重要な認識の一つを反映している:多くの病症は「通ぜざる」ことに由来する——気血の不通、水道の不通、九竅の不通。ゆえに「通を以て補と為す」「通を以て用と為す」ことが重要な治療原則となる。
四、薬性理論と五臓の関連 原文には薬物と五臓との関連が繰り返し現れる。例えば紫菀は「五臓を安んじ」、王孫は「五臓の邪気を主り」、牡丹は「五臓を安んずる」。これは中医の蔵象学説が薬物学に浸透していることを示している——薬物の作用は最終的に五臓の機能の調理に帰着しなければならない。
評価に値する歴史的価値:
分類思想の原型:『神農本草経』の「三品分類法」は世界最古の薬物分類体系の一つであり、「命を養い、性を養い、病を治す」を劃分の根拠としながらも、すでに素朴な薬物機能分類の意識を有している。
臨床経験の蓄積:多くの記載は数千年にわたる用药実践の経験を反映している。例えば麻黄の「発汗」に関する記載は、今日なお麻黄の最も重要な薬理特性の一つである。海藻が「瘻瘤」(甲状腺腫)を治すとする記載は、現代医学が海藻にヨウ素が含まれ、ヨウ素欠乏性甲状腺腫を治療できるという認識とある程度吻合する。葛根が「消渴を主る」という記載も、現代の研究による葛根素に一定の血糖降下作用があるという方向性と一致する。
薬食同源の体现:百合、生姜(乾薑)、茅根などは今日でも日常の食材であり、中医薬の「薬食同源」の伝統を裏付けている。
理性的に捉えるべき限界:
効能の記述が概略的であり、過度な概括が見られる:「久服軽身」「久服去臭気通神明」といった表現は、厳密な検証根拠を欠き、明らかな時代的想像の色彩を帯びている。
一部の効能は現代薬理学の裏付けを欠く:淫羊霍の「志を強くする」、水萍の「須髪を生ずる」などは、いまだ信頼できる科学的証拠が乏しい。
「鬼注」「蟄毒」などの概念:これらは古人のある種の疾患に対する時代的認知枠組みを反映するものであり、現代の用語で直接に対応させるべきではない。
一部の薬物には一定の毒性がある:麻黄はエフェドリンを含み、蒼耳子には肝腎毒性があり、牡丹は「黄帝、苦くして毒あり」とされる。これらの薬物は原文に効能の記載があるが、決して自己判断で勝手に用いてはならない。
この篇に述べられた中品薬物から、いくつかの非治療的な養生の考え方を抽出することができる。
四時に順応し、寒温に注意する 中品薬には「寒熱」に関連する薬物が大量にあることから、日常の起居において風寒を避け、冷暖を慎むべきことが示唆される。特に季節の変わり目には、衣類の増減に注意し、外部からの邪気の侵入を避けるべきである。
飲食を節し、脾胃を調養する
「補中」「安中」といった薬物が頻繁に登場することは、脾胃が後天の本であることを示している。日常の飲食は規則正しく、あっさりとしたものを心がけ、過食や極度の空腹を避け、生もの・冷たいもの・脂っこいものを控えるべきである。
適度な運動で、関節を巡らせる
「湿痺」「周痺」「肢節痛」といった病症が繰り返し記載されていることは、長時間の座りっぱなしや湿邪の阻害が関節トラブルの重要な誘因であることを示している。日常は適度に体を動かし、湿気の多い環境に長く留まることを避けるべきである。
情志を舒やかにし、鬱結させない
「結気」「積聚」といった概念は、情志が塞ぐこと、気機が鬱結することが多くの疾病の内なる根源であることを示している。心の安らぎを保ち、ストレスを解消することを学ぶことは、養生の重要な一環である。
作息を規則正しくし、精気を養い守る
「補不足」「益気」が繰り返し登場することは、日常において労働と休息を組み合わせ、過度な消耗を避けるべきことを示している。十分な睡眠と規則正しい生活習慣は、正気を養い守る根本である。
以上は一般的な養生のアドバイスであり、特定の疾患や個人を対象としたものではない。
関連概念:
発展的閲読:
本内容は中医の古典古籍に基づくもので、伝統文化の学習と研究のみを目的としており、いかなる医療診断、投薬、または治療のアドバイスを構成するものではない。体調に不安がある場合は、速やかに医師の診察を受けること。