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全 33 章中 12 章
神农本草经
全体意訳
本篇は『神農本草経』米穀部上品に出自し、収載されているのは 胡麻 と 麻贲 の二味である。
胡麻
性味は甘平。古人はこれが主に 傷中虚羸、すなわち中焦の脾胃が損傷し、気血が虧少して生じる消瘦虚弱を改善すると考えた。五内(五臓:心・肝・脾・肺・腎)を補益し、気力を増強し、筋肉を生長させ、髄脳(脳髄と骨髄)を填補する。そして長期服用すれば身体が軽健になり、衰老を遅らせるとも考えられた。別名を 巨勝 といい、葉の名を 青雚 といい、河川や湖沼の地に生える。
後世の注家の補足によれば、呉普は胡麻の別名を 方金、狗虱 とし、神農・雷公は甘・無毒とし、立秋に採取するとした。『名医別録』では 狗虱、方茎、鴻藏 とも呼ばれ、上党に産するとされる。『広雅』などの考証では、狗虱・巨勝・藤苰はいずれも胡麻であるとする。陶弘景は胡麻がもともと大宛に産したため「胡麻」と称すると述べたが、案語によれば『本経』にすでにこの薬が収載されており、陶説は必ずしも正確ではないとし、「胡」の字はその葉が麻より大きいことに由来するかもしれないとした。
麻贲
性味は辛平。古人はこれが五労七傷(さまざまな慢性虚労と内傷)を調治し、五臓を通利し、瘀血を降ろし、寒気を散ずると考えた。ただし特に指摘されるのは、食べ過ぎると幻覚を見せ、鬼神を見たかのようにさせ、狂躁して走り回らせることである。長期服用すれば古人には「神明に通じ、身体が軽くなる」と見なされた。別名を 麻勃 という。
麻子は味甘平、古人は中焦を補い気を益し、人を肥健にし、衰老を遅らせると考え、山谷や原野に生える。注家によれば、麻勃は麻花から勢いよく出る花粉または花薬で、七月七日に採取する。麻子は九月に採取し、太山に生じる。麻子中の仁は、神農・岐伯は辛とし、雷公・扁鵲は無毒とした。牡蛎・白薇と併用すべきではない。また地中に長く蔵され古くなったものは食べると死に至る可能性がある。麻の葉は毒性があると記録され、食べると人を死に至らしめる。
末尾の説明:本篇の米穀上品はかつて三種あったが、現在は青蘻を草部に帰属させたため、二種のみを残す。
これら二味の穀類薬は『神農本草経』上品の「命を養う」思想を体現しているが、その道筋は異なる:
両者は上品として併記されるが、一方は補い、一方は散じ、一方は安らぎ、一方は乱す。これは上品であっても無制限に長期服用してよいわけではないことを示唆している。
胡麻すなわち芝麻(ゴマ)、特に黒ゴマ。現代栄養学では、これが不飽和脂肪酸・タンパク質・カルシウム・ビタミンE・セサミンなどを豊富に含み、適量の摂取が栄養不良性の消瘦改善、エネルギー補給、一部の微量栄養素補充に有益であると確認されている。「五内を補い、気力を益し、肌肉を長ず」には一定の経験的合理性がある。ただし「髄脳を填める」「身を軽くし老いず」は古人の時代的制約による誇張表現であり、現代医学的な老化防止や脳機能強化と解釈すべきではない。
麻贲とはアサ(大麻)の雄花の花穂または花粉である。現代研究では、大麻がカンナビノイド系成分を含み中枢神経系に影響を及ぼすこと、過量摂取で幻覚・躁動・時間感覚の歪みなどの精神神経反応が生じることが知られている。原文の「多く食すれば人をして鬼を見て狂走せしむ」は大麻中毒症状の早期の経験的記録であり、古人がその精神活性と毒性にすでに気づいていたことを示す。大麻花は養生品として自己採取・服用すべきではない。
麻子は多くが麻子仁(火麻仁)と解される。伝統的な薬食両用品で、油脂・タンパク質などを含む。現代食品工業では油料や食品原料として用いられるが、生食・過量摂取・貯蔵不良によるカビ発生には安全リスクがある。古人の「先に地中に蔵せし者、食らえば死す」という記述には、実はカビや陳腐化物質への素朴な警戒が含まれている。
関連概念
参考となる文献
卜瓜より注意:本内容は中医の古典籍に基づくものであり、伝統文化の学習と研究のみを目的とし、いかなる医療診断・投薬・治療アドバイスも構成するものではない。体調に不安がある場合は速やかに医療機関を受診されたい。