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神农本草经
全体意訳
本段は『神農本草経』木部の中品で、合計17種の薬物を収載し、一部に果実、皮、根、葉、汁などの細目の説明を付す。以下、各条を逐条的に意訳する。古籍における「主……」は古人の経験的記載であり、伝統文化の研究・読解のみを目的とし、現代の用药アドバイスを構成するものではない。
味は甘く、性は寒。古籍には傷中(内臓の損傷)、五労六極(多種の虚損・労傷状態)、身体の消瘦、崩中(非経期の大量出血)、脈微かにして絶えんとする状態を主治すると記され、虚を補い気を益することができる。桑葉は主に悪寒発熱を解除し、発汗させるために用いる。黒色の桑耳は女子の経血淋漓・漏下、赤白帯下、血病、癥瘕積聚(腹内の結塊類の病証)を主治し、かつ陰陽を補益し、寒熱・不孕を調理することができる。五木耳は「糯」と名付けられ、気を益し、飢えに耐え、身を軽くし、志を強くすることができる。山谷に生ずる。
附注:古代の注家は、桑耳はまた桑菌、木麦とも呼ばれ、犍為に産し、六月の多雨時に採って日乾すると補足する。『説文』『爾雅』などに桑、木耳などの字源考証がある。
味は苦く、性は平。咳嗽・気逆・上気、筋脈の拘急、悪瘡を主治し、小虫を殺すことができる。竹根を煎じた湯は、気を益し、渇を止め、虚を補い、気を下すことができる。竹汁は風痓(風邪によって引き起こされる強直類の病証)を主治する。竹実は神明に通じ、身を軽くし気を益することができる。
附注:古代の注家は、竹葉は益州に産すると指摘する。『説文』は竹を冬生草と称し、象形文字であるとする。
味は辛く、性は温。中を温め、気を下し、痛みを止めることを主とし、咳逆・寒熱に用いられ、湿を除き、血痹(血行の痹阻)を通じ、風邪を逐い、腠理(皮膚筋腠の開合する通道)を開くことができる。その根は三虫(古人が広く指す多種の寄生虫)を殺すことができる。一名を「藙」という。山谷に生ずる。
附注:古代の注家は、冤句に生じ、九月九日に採り、陰乾すると言う。歴代に名称・産地・品種についての考証が比較的多い。
味は苦く、性は寒。五臓の邪気、胃中の熱気、顔面紅潮、酒さ鼻、皶鼻(鼻部の紅斑・面皰類)、白癩、赤癩(皮膚の色素またはただれ類の病)、瘡瘍を主治する。一名を「木丹」という。川谷に生ずる。
附注:古代の注家は、また樾桃とも呼ばれ、南陽に産し、九月に実を採り日乾すると言う。『説文』は梔を黄色に染めることのできる木と称する。
味は辛い。五臓の邪気を散じることを主とし、皮膚・骨節の中を遊走し浸淫する温熱の毒邪に用いられ、三虫を去り、消化を助ける。一名を「無姑」、一名を「殿塘」という。川谷に生ずる。
附注:古代の注家は、晋山に生じ、三月に実を採り、陰乾すると言い、蕪荑は山楡類の植物に由来すると考える。
味は苦く、性は寒。皮膚中の「大风」、麻豆様の瘙痒を主治し、寒熱の結滞を消し、泄瀉を止め、肌肉を長じ、五臓を利し、気を益し身を軽くする。川沢に生ずる。
附注:呉普は枳実は苦味、雷公は酸味無毒、李当之は大寒と説き、九月十月に採り陰幹すると言う。名医別録は河内に生ずると言う。『周礼』に「橘は淮を逾えて枳となる」とある。沈括は六朝以前は単に枳実と称し、後世になって枳実・枳殻に分けたと指摘する。
味は苦く、性は温。中風・傷寒・頭痛・寒熱・驚悸気・血痹・死肌(肌膚の麻痺し栄養を失った状態)を主治し、三虫を去る。
附注:呉普は神農、岐伯、雷公はいずれも苦味無毒と言い、李当之は小温と言う。また厚皮、赤朴とも呼ばれ、その樹を榛と名付け、子を逐と名付ける。交址・冤句に産し、九十月に皮を採り陰幹する。
味は苦く、性は微寒。風寒湿痹、身体の陣発性の悪寒を主治し、熱を除き、眼中の青翳・白膜(眼目の翳障)を改善する。久しく服すれば頭髪を白くせず、身体は軽健になる。川谷に生ずる。
附注:呉普は秦皮はまた岑皮とも呼ばれ、神農・雷公・黄帝・岐伯は酸味無毒と言い、李当之は小寒と言う。名医別録は廬江・冤句に生じ、二月八月に皮を採ると言う。古注は「秦皮」はあるいはもともと「岑皮」と作られ、俗称によって書き改められたと考える。
味は辛く、性は温。風邪気を主とし、中を温め、寒痹を除き、歯牙・頭髪を堅固にし、目を明らかにする。久しく服すれば身は軽くなり、顔色は良くなり、老いに耐え年を増し、神明に通ずる。川谷に生ずる。
附注:古代の注家は、泰山および秦嶺または琅邪に生じ、八九月に実を採ると言う。歴代の考証では多くこれを「秦椒」と関連付け、その子は椒に似ると考える。
味は酸く、性は平。心下の邪気・寒熱を主治し、中を温め、寒湿痹を逐い、三虫を去る。久しく服すれば身は軽くなる。一名を「蜀棗」という。山谷に生ずる。
附注:呉普は山茱萸はまた鬾実、鼠矢、鶏足とも呼ばれると言う。古人にはその性味について酸、辛など様々な記載がある。冤句・琅邪・東海承県などに産し、葉は梅に似て棘や毛があり、花は杏のようで、実は酸棗のようであり、五月に採る。
味は酸く、性は微寒(一本には咸と作る)。婦人の産後の余疾、崩中、癥瘕、血閉、寒熱、消瘦を主治し、かつ胎を養うことができる。川谷に生ずる。
附注:呉普は紫葳はまた武威、瞿麦、陵居腹、鬼目、茏華とも呼ばれると言う。真定などに産する。歴代にその基原が凌霄花であるか否かについて争いがある。
味は甘く、性は平。痎瘧(瘧疾類)を主治し、蛊毒・注病・不祥の気を解し、水道を利する。久しく服すれば身は軽く老いに耐える。一名を「猳猪尿」という。山谷に生ずる。
附注:呉普は猪苓について神農は甘味と言い、雷公は苦味無毒と言う。名医別録は衡山および済陰冤句に生じ、二月八月に採ると言う。『荘子』の司馬彪注は、猪苓の根は猪の卵に似て、渇を治すことができると称する。
味は辛く、性は寒。心腹痛、癰腫の潰膿を主とし、痛みを止める。一名を「棘針」という。川谷に生ずる。
附注:名医別録は一名を棘刺とも言い、雍州に生ずるとする。古注は白棘はすなわち酸棗の木の刺であり、後人に天門冬の苗で代用する場合があったと考える。
味は甘く、性は平。五臓の邪気を主とし、神志を安定させ、食欲不振を改善する。久しく服すれば精神を強健にし、耳目を聡明にし、身を軽くし、老いず、神明に通ずる。一名を「益智」という。山谷に生ずる。
附注:呉普は竜眼はまた益智、比目とも呼ばれると言う。名医別録はその大きい者は槟榔に似て、南海の松樹上に生じ、五月に採り陰乾すると言う。『呉都賦』の注は竜眼は荔枝の如くにしてやや小さく、味は甘くして荔枝に勝ると言う。
味は苦く、性は平。忿怒の邪気を主治し、虚汗・頭風を止め、女子の陰寒腫病を治す。一名を「女蘿」という。山谷に生ずる。
附注:名医別録は熊耳山に生ずると言う。古注は女蘿・松蘿・菟絲などの名称は混同されやすく、陸璣は松蘿は自ら松上に蔓伸し、菟絲とは異なると説く。
味は苦く、性は寒。女子の崩中下血、腹満・汗出を主とし、邪を除き、鬼毒・虫注(古人の流注・疫邪類の病証に対する呼称)を殺す。一名を「鬼箭」という。山谷に生ずる。
附注:呉普は衛矛はまた鬼箭とも呼ばれ、神農・黄帝・桐君は苦味無毒と言う。葉は桃の葉のようで羽状であり、正月・二月・七月に採る。陶弘景はその茎には三つの羽があり、その状は箭羽のようであると言う。
味は甘く、性は平。五臓を安んじ、心志を調暢にし、人をして歓楽にして憂い無からしめる。久しく服すれば身は軽く、目が明らかになり、求める所を得る。山谷に生ずる。
附注:名医別録は益州に生ずると言う。唐本注はあるいは合昏、夜合とも呼ばれ、音が近いために互いに呼び合うと言う。
原文末の「上木、中品一十七種、旧同」は、木部中品が合わせて17種であることを説明している。
本段の木部中品の薬物は、総じて中医早期の薬性思想のいくつかの層を反映している:
— 卜瓜 訳解 本内容は中医の古典古籍に基づくもので、専ら伝統文化の学習と研読に供し、いかなる医療の診断・投薬・治療のアドバイスを構成するものではありません。不調がある場合は速やかに医療機関を受診してください。