読み込み中...
全 78 章中 54 章
黄帝内经·素问
全体意訳
黄帝が問う:「九針」(九種の異なる形態と用途を持つ鍼刺し道具)の説明、および「虚実」(正気の虧虚と邪気の壅実)における補瀉の道理を聞きたい。岐伯が答える:
1. 虚実補瀉の鍼下の感覚 🩺 鍼で虚証を治療するには補法を用いて充実させ、その指標は鍼下に熱が生じることだ。なぜなら正気が充実し、気の巡りが盛んになれば熱を生じるからだ🔥。実証で満盛の場合には瀉法を用い、指標は鍼下が冷たく感じることだ。なぜなら鬱積した実の気が減衰し、亢進していた勢いが退けば冷たく転じるからだ。ここでの「気虚」とは邪実の気が減退することを指し、正気の虧虚を意味するのではない。
いわゆる「菀陳は則ち之を除く」とは、鬱積した悪血を放出することだ🩸。邪気が偏盛する時は瀉法を用い、出鍼した後鍼孔を按じて塞いではならない。補法はゆっくり出鍼し、速やかに鍼孔を按じて塞ぐ。瀉法は速やかに出鍼し、ゆっくり鍼孔を按じて塞ぐ。言うところの虚と実は、本質的には寒温の気の多少である。
「無若若有」(あるかのようでないかのよう)とは、病気が極めて微細で、容易に知覚できないことを指す。「後と先を察する」とは、疾病が発展する先後の順序を理解することだ。医者が補瀉を施行するにあたり、法度を失ってはならない。いわゆる「若得若失」(得たかのようで失ったかのよう)とは、本来あるべき法度から逸脱したことを指す。虚実の要領は、九針が最も巧みである。なぜなら九種の鍼にはそれぞれ適した病位と用途があるからだ。補瀉の時期は、経気(経絡中を巡る気)の開闔・出入と配合しなければならない。九針は名称が異なり形状も様々だが、これは補瀉すべき様々な情況を尽くすためである。
2. 刺法における候気と治神 🧘 実証を鍼で治療するには、その実象が減衰するのを待つ。留鍼して陰気(寒冷の気)が盛んに到来するのを俟って、初めて出鍼する。虚証を鍼で治療するには正気が充実するのを待つ。陽気(温熱の気)が盛んに到来し、鍼下に熱が生じてから出鍼する。いわゆる「経気已に至れば、慎みて守り失うこと勿れ」とは、気が既に到来した時には、みだりに手法を変えてはならないということだ。
鍼の浅深は、病位の内外に対する医者の心の中の把握にかかっている。病巣は近いことも遠いこともあるが、候気の原則は一貫しており、いずれも気の到来を待つ。「深淵に臨むが如し」とは、医者が慎重で決して油断してはならないことを戒めている。「手は虎を握るが如く」とは、鍼を握ることは猛虎を押さえるかのように力強く、集中することだ。「神は衆物に営(みだ)らうこと無かれ」とは、静かに病人を観察し、左右を見回してはならないことだ。「義として邪に下すこと無かれ」とは、鍼を持つ姿勢を端正に保つことだ。「必ず其の神を正す」とは、病人の両眼を見つめ、その精神を安定させ、経気が巡りやすいようにすることだ。
いわゆる三里(足三里)は、膝の下三寸にある。「跗之」とは、膝を上げると分肉の部位が現れやすいこと、「巨虚」は、足を反らすと脛骨の外側に現れるくぼみのこと、「下廉」は、肌肉が陥下している部位のことである。
3. 九針と天人相応 🌍 黄帝が言う:九針が上は天地・四時・陰陽に応じていると聞いた。その法則を聞いて、後世に伝えて常法としたい。岐伯が言う:一は天、二は地、三は人、四は四時、五は五音、六は六律、七は七星、八は八風、九は九野に応じ、人の身体にも対応するものがある。九針にはそれぞれ適した部位があるので、九針と名付ける。
人の皮は天に応じ、人の肉は地に応じ、人の脈は人に応じ、人の筋は四時に応じ、人の声は五音に応じ、人の陰陽合気は六律に応じ、人の歯・顔・目は七星に応じ、人の出入気は八風に応じ、人の九竅・三百六十五絡は九野に応じる。それゆえ一針は皮、二針は肉、三針は脈、四針は筋、五針は骨、六針は陰陽を調え、七針は精を益し、八針は風を除き、九針は九竅に通じ、三百六十五節の気を祛る。これが九針のおのおの主治とするところである。人の心意は八風に応じ、人の気は天に応じ、人の髪・歯・耳・目・五声は五音六律に応じ、人の陰陽脈血気は地に応じ、人の肝・目は九の数に応じる。九竅は三百六十五ある。
末段の説明:最後の「人一は以て動静を観、天二は以て五色を候い……」の一節は、歴代の注家・校勘家によって文字の錯乱・脱落が甚だしく、逐句の解釈が困難とされている。その残存する意味は、およそ人の動静・五色・五音・六律・四時の寒温燥湿などを観察することで、有余不足や関節・気血の変化を審察するというものであるが、具体的な表現はもはや信頼できないため、本書では無理に解釈しない。
虚実は「感知」できる 本篇は抽象的な虚実を、鍼下の寒熱感に落とし込んでいる。補法は得気すれば鍼下が熱く、瀉法は得気すれば鍼下が冷たく感じる。古人は寒温の多少を邪正の盛衰を判断する指標とした。
補瀉は手法だけでなく、時期と開闔も重視する ゆっくり出鍼し、速やかに鍼孔を按じるのが補法。速やかに出鍼し、ゆっくり鍼孔を按じるのが瀉法。補瀉は経気の開闔と相まって、時間的要素を體現している。
「治神」は核心である 深淵に臨むが如く、虎を握るが如く、目をそらさず、患者の神を正す。これらは古代の鍼刺が医患双方の精神的な集中を非常に重視していたことを示している。鍼刺は機械的な操作ではなく、「調神」と「候気」の統一である。
九針は層状の道具である 皮膚、肌肉、脈、筋、骨などの異なる層に、それぞれ対応する鍼具がある。天人相応の思想は人体の構造を自然秩序と類比し、全体観と道具の分業思想を表現している。
関連概念
発展閱讀
卜瓜からの注意:本内容は中医の古典古籍に基づくもので、伝統文化の学習と研究のみを目的としており、いかなる医療診断、投薬、治療のアドバイスを構成するものではありません。不調がある場合は、速やかに医師の診察を受けてください。